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二宮尊徳(金次郎) 氏より(再建の神様)

このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
   

・二宮尊徳(金次郎)は、歴史上まれにみる「再建の神様」である。
   
・四季はめぐって万物は成長する。米を蒔けば米が生え、麦を蒔けば麦が実る。これは昔も今も永久に変わることのない大自然の真のあり方である。この理法を人間の生活向上のためにうまく活かしてゆくよう勤めるのが大切。
   
・天道は休まず行われ、人道は努力しないと崩れる。
  
・人道でとくに努力せねばならぬのは「おのれに克つ(かつ)」。
  
・明日食べるものがないときこそ、今まで使ってきた、釜を洗い、膳も椀も洗い上げておくべき。なぜなら、今日まで使ってきて命をつないできた恩があるから。これが恩を知る者の道なんだ。
  
・学問は活用を尊ぶ。学問というのは活用することが大切なんだ。万巻の書物を読んでも、それを活用しなければ何の役に立たない。
    
・不仁の村を仁義の行われる村にするのは、そんなに難しいことではない。まず自分自身が道を実行して、わが家の仁の行われてる家にすることだ。
    
・善人や正直者をたえず手厚く表彰してやることを続ければ、必ず4、5年も経たないうちに整然たる仁義の村になることは疑いのないことなんだ。
  
・不仁の村を仁義の村に改善するきっかけのカギは、はかりの釣り合いのようなもの。右が重ければ右に傾き、左が重ければ左に傾くようになる。つまり、村内に貧者が多いときは貧に、悪人が多いときは悪に傾きお互いに恥とは思わない。
  
また冨者が多いと冨に傾き、善人が多いと善に傾いて恥を知るようになり、自然に義の心が生まれてくるんだよ。だから悪い風習を改善し村を復興する事業を成功させるには、このきっかけをとらえることが肝心だ。
  
・本当の商売のやり方。世の中で、法則といえるもんは、天地の道、親子の道、夫婦の道、農業の道の4つ。これらの道は、双方が互いにうまくいく完全なもの。万事この4つを基準としてやれば間違えはない。
  
・遠くをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す。
  
・己を捨て人にしたがう。例えば、空腹の時、よその家に行って「どうか飯を恵んでください。庭を掃きますから」と言っても、おそらく、決して飯を食べさせてくれないだろう。それより、空腹をがまんして、まず庭を掃けば、あるいは一飯にありつけるかもしれぬ。つまり、損して得する。
  
・始めに終わりを考えよ。およそ事を成し遂げようと思ったら、はじめに、終わりまでの計画を緻密に立てて取りかかるげき。
  
・成功の秘訣は、小を積むこと。大事をなそうと思うなら、小さいことでも怠らず努力するようにしなければいかん。小が積もって大となるからだ。
  
・毫厘(ごうり)の差は千里の違いとなるもの。
 ※毫厘(ごうり)とは、ほんのわずかの差のこと。ほんの少し。

・運というのは「運転の運」で、いわゆるまわり合わせということ。善を積んだ家にはその功徳のむくいとして良いことがあり、反対に不善の行為を重ねた家には禍が及んでくる。

・仏教には、3世の説があって、過去、現在、未来の3世を通して考えないと疑問点が出てくる。

・善因には善果があり、悪因には悪果が結ぶ。

・人の長所を友として短所を友とするな。

・勤、倹、譲が大切。勤というのは、衣食住関係のものを一生懸命につくり出すこと。倹とは、そのつくり出したものをむだにつかわないこと。譲とは、これらを他に譲り及ぼすこと。

・なぜ倹約するのか?変事に備えるためである。

・無用のものは切り捨てる。例えば、盆栽の松の手入れが悪く枯れそうになった場合、悪くなった枝を切って根を枯らさないようにする。

・二宮尊徳の本名は、二宮金次郎である。ちなみに、尊徳は「そんとく」と読まれることが通例だが、本人は「たかのり」と名乗っていた。
  
   
   
二宮尊徳というと、背中に薪を背負い本を読んでいる姿を想像します。つまり、貧しいけれども、親孝行で勤勉で学問好きの少年というイメージがします。

しかし、二宮尊徳は、歴史上まれにみる「再建の神様」です。そして、二宮尊徳の精神は、現在にも生きつがれ、今日の経済混乱の中でも、その骨太な実践哲学があらためて注目されています。
  
  
●二宮翁夜話より
村松 敬司 (編集)、二宮 尊徳
日本経営合理化協会出版局刊 (1995/1)
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