山本隆樹 氏より (出版業界の第一人者)
このページは、講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・知識があっても、知恵がなければ意味がない。
・出版業の特性とは、多品種少量販売、量より質、企画優先、反復購入は無い、需要予測は困難、社会的評価が高い、類似品排除。
・客注が止まったら増刷は危険。
・会社規模のよってベストセラーの定義は変わる。
・どこにでもある肉屋で一番売れている牛肉100gがいくらか調べると、その近辺の世帯年収平均が読める。また、牛肉、豚肉、鶏肉でも傾向が見える。年収が高い地域は良い牛肉が売れる。
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2008年11月7日
日本出版学会
人口動態の出版流通への影響
―「人口の減少・人口増加率の鈍化と読者人口の推移」―より
・出版の売り上げ減少の理由
ネット、人口減少、少子化、図書館での貸出数増、流通問題、書店の統廃合、古書店の増大
・群馬県大泉町、静岡県浜松市は日系ブラジル人が多い。
・九州の鹿児島、大分などの福岡県以外の人が福岡県で買い物をしている。同じく群馬や栃木県も東京に出て買い物している。
・東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、滋賀、大阪、沖縄は人口増。
・秋田、青森は人口流出が大きい。
・郊外店やSC(ショッピングセンター)中にある書店の売り上げが減少してきている。
・17の政令指定都市の中で京都、仙台、北九州、静岡は2年連続で人口流出している。
・多くの出版社は、書店の名前で注文を取りに行っている。
・限界集落とは、65歳以上の人口が50%を占める市のこと。夕張市、熱海市
・東京の多摩ニュータウン、大阪の千里ニュータウンは、65歳以上が30%~
・埼玉県越谷市の団地も外人ばかり
・書店への委託費が低すぎる。通常は22%程度。大手チェーンでもよくて25%。小売業の平均粗りは30%以上
・出版社が見逃している売場
●ヤマダ電機 「書籍売場」30店舗 (家庭電化製品の小売)
http://www.yamada-denki.jp/
●コーナン商事株式会社「コーナンBOOKS」13店舗 (一部上場企業、ホームセンターの運営)
http://www.hc-kohnan.com/
・今後はドラックストアに本が置かれるかも
・元気のある書籍売場
●大学生協。通常ある教科書ではなく、一般書、小説、実用書、文庫、新書などが売れている。
●JR東日本のブックエキスプレス(旧ブックガーデン)。
・ネット書店の売り上げ (全体) 推計
2006年 780億円
2007年 950億円
2008年 1150億円
2009年 1400億円
2010年 2000億円
特に、アマゾンと楽天は無視できない存在に。
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2009年4月8日
・書店営業地域
札幌市、仙台市、東京23区、さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、静岡市、浜松市、名古屋市、大阪堺市、神戸市、京都市、広島市、北九州市、福岡市+その近辺のベットタウン+県庁所在地
・著者が推薦本の紹介、書店の棚担当が今月売りたい本とその理由、出版事情のメルマガ
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2009年5月1日
・出版業界、特に、出版社(書籍の出版社)は多品種少量販売の原則を守ること。
・市場在庫と倉庫在庫の数量を考え身軽になること。
・企画は世代交代に伴う根本的な価値観の変化にすばやく対応すること。団塊ジュニア・新人類ジュニア(平成生まれ)が主力をなしてくる。
同時に消費者は今後支払い意思の二極化と支払い能力の二極化に分けられるので『どの読者をターゲットとして』、『どのような攻略を行い』、『どう利益に繋げて行くか』を基本とする。
・『新刊を何部作るかではなく、何人の読者に渡せるか』で制作部数を決定したほうがより近いマーケティングが可能となります。
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2009年9月16日
出版診断士懇話会(CPW) 例会
「激変する出版産業 ― 業界の現状をどう見たらよいのか ― より
場所:講談社 本館3階 営業会議室 文京区音羽2-12-21
・取次が困っているのが雑誌の売上が減っているということ。
・返品減少対策マニュアル
※(社)日本書籍出版協会のサイトにある「返品減少対策マニュアル」にリンクします。
・最近売れた、血液型の本は返品が相当来ているのでは。
・ブックオフの「Bコレ」80点のうち60点はゴマブックスの本。
・ブックオフの債権者は約800人。そのうちのほとんどはライターと編集プロダクション。
・もともと、出版社は他人任せの商売。著者、製版、製本、印刷、装丁を他社で行うことが多いことから。
・ある西日本のほうで85店舗を経営する書店は営業代行会社経由で来るものは注文しない。
・ある大手書店と印刷会社の統合は、2009年10月までに更に1社を吸収するのでは。そうすると、ある取次の規模を超える。
・日販は日販MPDの売上が入っていない。日販は複合書店を目指しているか。
・2008年 ネット書店 本の売上
アマゾン 1,080億円
楽天 180億円
セブンアンドワイ 169億円
合計 1,429億円
・今、現在多くの出版社自らでネット書店に誘導している。アフィリエイトで利幅を取っている。
・20人規模の出版社ではネット書店で2週間売れない本は町の本屋でも売れない。
・取次がやるネット書店
e-hon 株式会社 トーハン
本やタウン 日本出版販売株式会社
本の問屋さん 大阪屋
・丸善の売上詳細 60%が出版物、40%が文具や大学関連
・未来屋書店 2004年から毎年売上を3%伸ばしている。
・LIBRO(リブロ)がよむよむを吸収したが、企業風土が全く異なる
・キクヤ図書販売は地道なM&Aで伸ばしている。
・日販とトーハンの「書店経営指標」によると、複合書店が元気がいい。
・人口100万人以下の都道府県の書店は訪問しなくても。また、20万人以下の市も同じく。
・配本パターンから注文納品へ
・取次と書店の統合
・再販撤廃が来るか。