安達元一 氏より (人気放送作家)
このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・クイズ番組というのは、答え方一つでおもしろさがまったく変わってくるものなのです。たとえば早押しにさせるか、フリップに書かせるか。
早押しにするなら、できない人が残っていくというかたちで回答者を追うつめることができるし、フリップ書きにするなら、“ボケの回答”で遊べるというふうに、答え方一つとっても、目指すおもしろ味がぜんぜん変わってくるものなのです。
・高視聴率をはじき出す発想の生み方。
いつも驚かされるのがダウンタウンの松本人志氏の発想力です。
一番印象に残っているエピソードとして、こんなものがあります。ある日、松本人志氏がお題を投げ、それをみんながいつものように、意見を出し合う。
その日は、「人の悩みをいかにバカな発想で解決するか」というお題でした。「歩いていると、ガムが靴底に付いてしまいました。こんな時、どうしたらいいのでしょう?」という悩みから、それをどう解決するのかを、みなで話しあっていたのです。
「あらかじめ靴底が薄いビニールで何重にもなっている靴を履いておき、踏んだら、ビニールを一枚づつ剥ぐようにする。」
「ガムとり専門の箸が靴底に付いている靴にすればいい」
などと、一同、あれこれ話しあっていたところ、少しの間黙っていた松本人志氏がひと言、
「それが違うねん。何でみんな、ガムを取ろうとするん?」
といったのです。このひと言が私には衝撃でした。ガムをいかにとるか、そればかりをみなの発想が向かっていたところ、松本人志氏はこんなふうに考えていたのです。
「右足にガムが付いてネバネバするなら、左足にもわざとガムを付ければいい。そうすれば両足、均等にネバネバになって気にならなくなる」
「取るのではなく、さらに付ける」この私たち凡人とはまったく違う、180度逆の発想で解決策を見出す、まさに“天才、松本人志氏、ここにある”と思わされた瞬間です。
「靴底に付いたガムは取らなくてはいけない」という先入観が発想を縮めていたのです。
・“視聴率=大衆の意思=アメーバのようなもの”つまり、“より美味しいエサのあるほうに動こう”それが視聴率の仕組みのような気がする。
・いつの時代にも人々にウケる普遍的なものがいくつかあります。たとえば、「グルメ」「お金」「健康」「知的好奇心を満足されるもの」などなど。
・プロの仕事とは、「できない理由を考える」のではなくて「できる方法を考える」これが大切。
・企画書の極意として、「内容がひと言で伝わる」これが大切。
・“タモリ直伝”驚異の記憶術。
アトランダムに挙げた50の単語を、タモリさんがそっくりそのまま記憶するというコーナーがありました。
まったく関連性がない50もの単語を、なぜあんな短時間で完全に覚えきることができるのか。スタッフルームで放送を見ながら、私もビックリしたものです。
どのように短時間で覚えられたのか?
それは、それらの単語に関連性があるように、自分の頭のなかに焼き付けていくという方法なのです。
一番わかりやすい例を出すと
1、携帯電話
2、ゴールデンレトリバー
3、嫁姑戦争
4、東京ディズーランド
5、ぺんてるサインペン
6、ハワイアンハンバーク
7、パソコン
8.・・・・
とあった場合、まずは、あなたの自宅を思い出してください。さあ、あなたは自宅に帰ってきました。まず玄関を開けたところに「携帯電話」が置いてあります。
そして一歩足を踏み入れると「ゴールデンレトリバー」が迎えにきました。しかし玄関先では、あなたの奥さんと母親がなにやらいい争っています。「嫁姑戦争」ですね。
そこから目をそむければ、廊下の窓からは「東京ディズーランド」が見えます。
廊下一歩を歩くと、「ぺんてるサインペン」が落ちています。
その先、キッチンのテーブルには「ハワイアンハンバーク」があります。自分の部屋に入ると、すぐ「パソコン」が置いてあります。
このように、あなたの忘れないよう日常の風景のなかに、1つづつものを置いていくのです。
・困った時の企画の裏ワザ
過去にあったおもしろい企画を考える
↓
そのおもしろさを分析をしてエッセンスを抽出する
↓
エッセンスだけ残して、元の企画を忘れる
↓
そのエッセンスを満足させる企画を考える
・とびっきりのアイデアの例
シカゴの実際にあった話しです。あなたはビルのオーナーです。立地条件のいいあなたのビルは大人気。数多くのテナントがびっしりと入っていました。
しかし設計ミスでエレベーターは小型のものが2基しかない。混雑時には一回では乗り切れない人がで、テナントから文句の嵐。
「このままではビルは出ていく!」とさえいわれています。
さあ、あなたはどんな解決策を思いつくでしょう?
簡単に思いつきそうなものは、
「エレベーターを増設する」
「エレベーターの速度を上げる
「階段をエスカレータに変える
「テナントごとの業務開始時間をずらしてもらう」
おもしろいところでは、
「階段で上がった人には賞金を出す」
実際、このビルのオーナーが最小限の費用で、最大の効果を得るためにやったことは何か?それは、
「エレベーターホールの壁をすべて鏡に張り替えた」
という作戦だそうです。同じ間待ち時間でも鏡があることによって、出勤前の身だしなみや髪型のチェックができる。そのため人は待ち時間が苦痛にならず、苦情もぐんと減ったということなのです。
・何でもいいから新しいことにチャレンジしてみる。今までやらなかった分野に挑戦してみる。
●視聴率200%男 (新書) より
安達元一 (著)
光文社刊 (2001/11)
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