坂本光司 氏より (中小企業経営論の第一人者)
このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・10年以上高い成長を続けている企業には、共通した経営を行っている。その共通的特徴・キーワードは12点。
1、経営者の経営姿勢・リーダーシップ
2、高い志、ロマン、ビジョン
3、人材
4、創造力
5、アウトソーシング力、ネットーワーク力
6、グローバルスタンダード
7、感動的商品、感動的接客サービス
8、財務力
9、製販一体型
10、多品種少量型
11、コスト改善力
12、小さな本社
・社員には定年があるが、社長自身に定年を定めた会社は未だ少ない。しかし、快進撃を続ける企業の社長は辞め時を自らに課し、自分自身に常に圧力をかけ続けている。辞め時とは、例えば次のようなときである。
イ、3年連続赤字を出したとき
ロ、変化、変革を好まなくなったとき
ハ、後継経営者が十分に育ったとき
ニ、リーダーシップを果たせなくなったとき
ホ、ロマンやビジョンを示せなくなったとき
ヘ、現場に出ることが目に見えて減ったとき
ト、六五歳になったとき
経営者によって、これは圧は異なるものの、いずれにしても自分に厳しく、あえて退路を断っている。
・未来工業株式会社の社是は、「常に考える。なぜ、なぜ、なぜ」新商品開発を重視し、これまでに開発した新商品は一万点をはるかに超える。社員には提案制度がある。
例えば、提案をすれば、基本的にはどんな提案であれ、一件あたり500円から3万円の報酬金がもらえる。ちなみに500円というのは、提案が採用されても採用されなくてもらえる、いわば参加賞である。
・未来工業株式会社の本社には数百人いるが、コピー機が1台しかない。そのために列をなす日もたびたびある。しかし、今後もこの台数を変えないという。
その理由を「コピーをとるために、部署が違う、ふだんあまり合えない社員が並び、待っている間、前や後ろの人と、仕事のことや趣味のことをおしゃべりすれば、それでいい。」と言う。
あえて、コピー機を1台にして、全社員のコミュニケーション、風通しをよくしているのである。
未来工業のサイトはこちらから
・株式会社樹研工業(愛知県豊橋市) 代表者名:松浦元男氏
この会社は管理するルールは一切いらないという。つまらない後ろ向きな仕事はできるだけ省き、次のしごとをに取り組むかかる。これが生産性を上げる基本です。この会社では、出勤退社時間は自己申告制である。
・社員が辞めたいときが定年だという。松浦社長は定年がない理由を、「60歳のおめでたい還暦の年が失業の日、こんな馬鹿な話はありません。だいいちそんな姿を30代、40代の社員が見ていて、自分の会社に強い愛情、帰属意識を持てますか」
「60~65歳は昔と違い、精神年齢、肉体年齢からみても若く、仕事のノウハウがこの時期は全身に詰っている。とりわけ職人たちは、最も技がさえる年齢だから」と言う。
・社員は、入社と同時に全員が1000万円、45歳の誕生日になると、2000万円に増額する生命保険に加入している。しかも掛け金は、全額が会社負担という。これも万が一の場合、その生命保険は全額、本人の家族が受け取るのだ。
このことを松浦社長は、「大切な人を病で失ったご家族に対して、会社ができることは、残った人たちの生活を支えてあげるくらいしかできないから」という。
・ジーマ株式会社(静岡県袋井市) 代表者名:和田英孝氏
ジーマには、ジーマフィロソフィーという経営哲学がある。これは尊敬する京セラ創業者である稲盛氏らが掲げた「京セラフィロソフィー」をモデルに策定している。
「我々にしか創れない製品を提供することにより社会に貢献しよう。」
・常にお客様が望んでおられるもの、喜んでいただけるものを創ろう。
・製品は、常に最高の品質でなければならない。
・製品のコストを引き下げるため、日々の努力をしよう。
・注文には迅速かつ正確に応えよう。
・真の顧客に本当に満足してもらえれば、利益を上げられるようになる。
・我々の仕入先の利益は適切でなければならない。
「我々は科学する心を持った技術屋であり、合理性と人間性を兼備した人になろう。」
・一つのことに打ち込んで、それを究めることによって、総てを知ることのできる人材になろう。広く浅く知ることは、何も知らないことと同じである。
・創造は、仕事に徹し一切物事にとらわれないで謙虚な心境の時に、生まれることを悟ろう。
・常識に頼らないでものの本質を見極めて判断しよう。
・独創的なアイディアを持っている人の意見に耳を傾けよう。
・努力は限度がない。限度の無い努力はその本人がびっくりするような偉大なことを達成するものである。
・偉大なことは最初からできるものではない。地味な努力の一歩一歩の積み重ねからできるものである。
・一歩進めば、次の一歩が見えてくる。このようにして偉大なことが達成されるものである。
・自分で燃えるためには、大変なエネルギーが必要である。それには先ず自分を励ますことだ。最高は仕事が楽しくなることだ。そうすれば自然に燃えてくる。
・思いつきの実験を奨励しよう。試してみよう、なるべく早く。
「我々同士は心と心で結び合い、皆のために生きていく努力を惜しまない。」
・周囲の事象はすべて我が心の反映である。そのためにより立派な人格者になろう。
・あくまでもフェアープレーで仕事をし、きれいな態度であらゆるものに対処しよう。
・物事に対処するに、誠意、正義、勇気、愛情、謙虚な心を持とう。
・節度があり、正義を知り、怖さを知る人が真の勇気を身につけた時に、偉大なことを成し遂げる。
・常に自分自身を真面目に見つめよう。
・自ら生きるのでなければ、誰も生かしてくれないことを、よく自覚しなければならない。
「我々が生きている地域社会に対して貢献しよう。」
・健康、教育、市民の生活の向上を奨励する活動に参加しよう。
・公害のないクリーンな工場環境を創ろう。
・株式会社飾一(かざりいち) 代表取締役:岩宮陽子氏
今しかできないことを精一杯する。
経営とは、川原で帆を素足で揚げるようなもの」と代表の岩宮陽子氏はいう。 つまり、「石や岩がごろごろしている不安定な上に立ち、もしかしたらケガをしたり転ぶかもしれない。しかし、その中で時代という流れの風に気を配り、ビジョン(帆)を高く揚げるのだ」という強い思いを持ち続けることが大事だと言う。
●この会社はなぜ快進撃が続くのか より
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・景気超越企業とは、好不況に関係なく、その経営効率、とりわけ利益率やその生産性が、同業他社と比較して、常に抜きん出て高い状態を持続をしているといった企業である。
つまり、好不況はもとより、いかなる環境変化が発生したにせよ、常に業績が良い。
・超優良企業に共通してみられる第一の特徴は、いずれの企業も経営者そのものにある。
・人材評価システムのひとつ。当たり前のことを当たり前にやった社員ではなく、成否にかかわらず、失敗を恐れず新しい仕事、難しい仕事に果敢にチャレンジした社員である。
・他社でも可能なことは徹底してアウトソーシングを有効活用する。
・顧客に対して提供する商品は自分で考え、自分で創り、自分の手で売る。
・自分の常識は相手の非常識と考える。
・うなぎパイで有名な春華堂初代代表の山崎芳蔵氏は、一つ、土地に惚れること、二つ、商品に惚れること、三つ、家内に惚れることという三惚れ主義を信条としている。
・1週間後の1000個より、明日の1個
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