吉川美樹 氏より (通販生活 商品開発プロデューサー)
このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・ヒット商品連発の理由は「残業できなくなったから」
必要に迫られて、夕方のスーパーを駆け回ったり、炊事、洗濯をしたり、子育てに迫られているうちに、新しい世界の扉を次々と開けていきました。それが、新しい商品を思いつく発想に結びついていったのだと思います。
・身のまわり「半径1メートル」を注意深く観察する。
私の商品開発は自分の身のまわりのことがヒントになるようになりました。どれも、私の日常生活シーンからの発想。私の手の届く範囲、半径1メートル以内で起こる不満や悩みから始めっています。商品発想のアイデアは、身近なものであればあるほど、ヒットになりやすいということがわかったのです。
・曜日別にまったく別人になりきる。
例えば、
月曜日 買い物達人・・・スーパーをくまなく時間をかけてじっくりチェック。
火曜日 バレーボールの選手のメグ・・・ママさんバレーチームの練習に集中。
水曜日 料理研究家・栗原はるみ・・・手のこんだ料理つくる。品数をつくる。
木曜日 カリスマ主婦・・・シーツなどの大物の洗濯や玄関、トイレなどの掃除まで、
ちょっと気合を入れて主婦業をする。
金曜日 年収3000万円の起業家・・・来週1週間、スムーズに仕事を進めるために、
仕事の段取りシミュレーション、書類作成など
仕事に励む。
土曜日 ナマケモノ・・・すべてゆるゆるで怠ける。
日曜日 教育ママゴン・・・娘の習い事にいっしょに行く。宿題をびっちり見る。
曜日別の「役者人生」を謳歌することで、充実感のある毎日が約束される。
・9割メリットがあれば、1割デメリットは当たり前。
世の中、完璧な商品はありません。どんな商品にもデメリットはあると思います。でも、そのデメリットをはるかに上回るメリットがあるからこそ、消費者はそれを購入するのではないか。
・商品の「晴れ姿」をイメージする「人間拡声器」になる。
あるメーカーからオルゴール時計の提案がありました。ボロンボロンとアコースティックな音が出る、本格的なオルゴ-ル時計です。
でも悲しいかな、通販では、音を表現することはできません。メーカーのパンフレットを見ると、たんに「20弁、シリンダー、ディスクオルゴール、ディスク付き」とあるだけ。
これではせっかくの商品の良さは伝わりません。この素晴らしい音をどんなふうに表現したらいいのか・・・。
そして考えついたのが「これはもう楽器である」という表現。カタログ掲載時には、「楽器」という部分を強調して訴えてみたのです。これが大ヒットに。
20弁シリンダーオルゴール時計 → 音を奏でる楽器 にしたのです。
・私の悩みには必ずおおぜいの共感者がいる。
ヒット商品は奇をてらった「ニッチな悩み」からは生まれてこないものです。誰もが共感できる「ふつうの悩み」をこういうふうに解決できるという「生きたメッセージ」をもつ商品こそが、とてつもないヒット商品に化けるのだと思います。
・ひと言で伝えられない商品はダメ。
・「家にあったらいいな」を実現する。ポイントは、家族が大好きで、でも家では作れないもの。例えば、ソフトクリーム。
・「つくり手」の視点にとらわれると必ず失敗する。「こんなにお金がかかってしましました。だから値段も高くなります。」では、消費者はそっぽを向いてしまいます。
それはあくまでつくり手側の勝手な都合。そこを努力するのが私たちの仕事です。つねに消費者の目線を意識する。
●半径1メートルの「売れる!」発想術
吉川美樹 著
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