斎藤由多加 氏より (ゲーム作家)
このページは、本や講演、セミナーなどから、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。
・履歴書に押印する理由。押印に意味ですが、実は、そこにあまり意味はありません。慣例的に「ここに書かれているいることはすべて事実ですよ」という念押しの意味合いがあるのでしょう。
・人間がひとつの目的を持ったとき、かならずしも「情報量が多いこと」がリアルとはならないようです。
・待ち時間のストレスを軽減させる方法は、「待ち時間を表示すること」。具体例は、ディズニーランドのアトラクション。ここには「ここから20分待ち」と待ち時間が表示されている。
・バージョナアップしないハインツを勝利に導いたたった一行のコピー。
アメリカの老舗ケチャップメーカーのハインツが、シェアを落としたときの話です。シェア低下の理由は、競合他社のケチャップがチューブで販売されていたこと。
ハインツのトレードマークであるガラスのビンでは、振ってもなかなか中身が出てこない。いっぽう競合他社は、手で絞ると簡単に出てくる。
これに対抗するため経営陣は、ケチャップの成分を変えるか、トレードマークのビンをやめるか選択を迫られたといいます。
このとき、あるマーケターがこう提案をしたそうです。「ハインツのケッチャップが出てこないのは、それだけトマトをふんだんに使っているからです。」というキャンペーンをしてはどうか。と。健康ブームも手伝ってか、結果、これでハインツはシェアを挽回したといいます。
・シーマンがセガから投入される際に、あまり大きな宣伝費は期待できませんでした。そこで「ゲーム」という言葉を一切使わず、すでに多くの人が知っているメタファーを使うことで、説明を回避する策に出ました。
そのメタファーとは、「ペット」という言葉です。ペットという言葉を聞けば、ほとんどの人は、何をすべきか、すぐにイメージすることができます。
餌をあげる。世話をする。交尾させる。産卵させる。酸素を供給する。温度を保つ。空腹が続くと、餓死する。
といったことがそうです。シーマンは「ペット」と言い切ることにしたのです。そのおかげでユーザーに知ってもらいたい広告やマニュアルの説明を省くことに成功しました。
・ひとつひとつは味気なくても、それらがある秩序で一定量以上にずらっと並んだ瞬間、何か大きな力が生じはじめる。具体例が、リクルートの「住宅情報」誌。
・混ぜればゴミ。分ければ資源。つまり、同じ形状のものが集まると価値が高まる。これは、分野を問わず共通の普遍的な法則。
・広告媒体の目的。買うつもりのない層に商品の存在を知らせ購入動機を作る。
●ハンバーガーを待つ3分間の値段
斎藤由多加 著
幻冬舎(2006/01)
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