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金子秀之 氏より (書籍「世界の公共広告」の著者)

このページは、書籍「世界の公共広告」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。


・公共広告は1960年代後半から、アメリカを中心にヨーロッパの各国で交通安全、公害問題、癌協会、貧者救済の都市連合が行われてきたが、70年代に入って麻薬撲滅キェンペーンが加わっている。


・ABCエイズについての認識“戦争”

エイズは、朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争を合わせたよりも、多くのアメリカ人を殺しています。

・ノースカンザスシティの病院“溺れる男”

CMは、一人の男性が水の中で溺れかけている場面から始まる。男性は、懸命に泳ぐものの、足をとられ溺れそうになる。もがけばもがくほど、身体が水の中に吸い込まれる状態を捉えながらズムアップすると、その男性はリキュール・グラスの中で溺れていた、ということが分かる。


・酔っ払い運転防止キャンペーン“ぶつかるグラス”

ぶつかって飛び散るグラスの破片をスローモーションにで撮影し、交通事故の恐ろしさをシンボリックに表現している。接写の美しさを、急ブレーキをかけている音と、ズシーンという衝突効果音で、飲酒運転の恐ろしさを強調している。


・ロンドン中央広報局“ミス・キャロル”

人生を学ぶには、二つの方法があります。一つは話を良く聞くこと。もう一つは自分で経験することです。車に乗るときはドアをバタンと閉めて、シートベルトをカチンとかける習慣をつけましょう。なぜなら、人生には経験しないほうがいいことあるからです。※ここで、ミス・キャロルさんが事故で口元をバックリ切れている映像が出ます。病院の一室からです。


・アメリカ肺協会

※一人の男性がタバコを吸っている。その上からハゲタカ、四匹がじっと見つめている。

空高く飛び、死肉をあさるハゲタカの習性を利用した広告。


・アメリカ大手のタバコメーカーの役員クラスは、ほとんど喫煙の習慣を持たないといわれている。


・ロンドン警視庁のこそ泥キャンペーン

「鍵をマットの下に隠しておきなさい。そうすれば、私が中に入れますから」

と顔にモザイクががかかっている。泥棒は普段は信じてはいけませんが、この場合はその道の「権威」ですから、アドバイスを信じなさいというわけだ。


・国際赤十字“献血”

白地の真ん中に大きな赤十字。ただし半分くらいまでしか赤くなっていない。輸血用の血液が不足してのだ。小さく「われわれはあなたの血液が必要です」というコピーだけ。これだけですべてが言いつくされていること。


・いい広告ほど、初心者やアマチュアができそうに思えるところがある。しかし、決してマネできないものなのだ。
     
         
                
●書籍「世界の公共広告」より
金子秀之 著
研究社出版 (2000年6月初版)
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