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読みたくなる装丁をつくる第一人者
新潮社の大森賀津也氏です。2008年9月3日、日経流通新聞(MJ)からの記事をご紹介します。
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「本をどう売り、誰に読んでもらいたいか。作品の内容や想定する読書層をイメージして表紙をひねり出している」
そのためにまず原稿を徹底的に読み込み、造本の形態から活字の大きさ、ページ数、価格設定などの販売戦略を編集者らと共有したうえで装丁を決めていく。(中略)
「どんなに素晴らしい作品でも、実際に読者に手を伸ばしてもらわなければ始まらない」。(中略)
まずは装丁で気を引くことが重要だ。だが、それは見た目さとは違うという。あれもこれもあらゆる要素を盛り込んで奇抜な外装にするのではない。まず一歩引き、装丁から伝えたいことを一つに絞り込む。
「読者の想像に委ねる領域を増やしたい」と考えているからだ。
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大森賀津也氏は1977年から新潮社で30年以上、装丁の作業に携わってきたベテラン。装画のコンペディションをでは審査員を務めることや優れた装丁本を表彰する「造本装幀コンクール展」の受賞経験(2007年度)がある方です。
新潮社では年間発売する約600点の新刊本のうち、9割以上の表紙を自社の装丁部で手がけています。
日経流通新聞(MJ) 2008年9月3日 匠ファイル より