西谷 能雄 氏より (書籍「出版とは何か」より)
このページは、書籍「出版とは何か(西谷 能雄 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・書籍は一点一点が厳密な意味では全部新製品
・ひとたび購入されれば、贈答に利用される辞典などは別として、同じ本が二度と買い求められることはきわめてまれである。
・多く売れるという場合、二つの意味があると私は思う。その内容が良質で、当然の結果読書人の心を捉え、いつまでも名著として古典的意味をもつという場合が一つ、内容の質とはかかわりなく、好奇心とか射倖心、、刺戟性によって一時的に爆発的に多くの人を捉えるという場合がその二である。前者をロングセラー、後者をベストセラーと我々は読んでいる。
・世界でもっとも多く売れているものは聖書
・故ケネディ・アメリカ大統領は、一九六二年の特別教書のなかで、消費者の四つの権利について述べたことがあった。すなわち 1 安全を求める権利、2 知らされる権利、3 選ぶ権利、4 意見を反映させる権利、である。
・今、マージン問題がやかましく日程にのぼりはじめているが、マージンというのはそもそも商行為、販売行為が成立してはじめて問題になると考えるべきだと思う。
ところが、現在問題にされている状況を見ると、商行為が成立する、しないにかかわりなくマージンさえ多くとれれば本が売れるといった錯覚があるように思う。
・出版販売合理化協議会
・出版界の特約店となにか。極端にいえば常備寄託店即特約店という考え方が圧倒的に強い。
・出版社の唯一の財産は、鐘や建物ではなく動産、不動産ではなく、まさに精神の自立の所産ともいうべき無形の出版目録ではないのか。
・どうしたら版元サイド、販売サイドの緊密なる一体感が育まれていくのか。この道を探求することが特約店制度を成功させる道につながると信じる。
・広告・宣伝費、一般経費=管理費という構成である。広告・宣伝費は一般的には定価の八-一〇%、従って版元の経費が一〇-一五%ということになる。
・書籍ハンドブック
・「新聞之新聞」「出版時事」「新文化」「文化通信」
・「都内のある有力小売店が、書籍購入の動機について調査した結果、店頭で現物を見て購入するというのが、一位で約四〇%、新聞広告を見てとのいうのが約三〇%で第二位、書評を見て、あるいは友人先輩のすすめによるとするものが約二〇%
※業界関係の記者の話
●書籍「出版とは何か」より
西谷 能雄 著
¥1,500
日本エディタースクール出版部 (1972年4月初版)
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