斉藤 一郎 氏より (書籍「本屋は僕の戦場だった」より)
このページは、書籍「本屋は僕の戦場だった(斉藤 一郎 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・総武線沿線は、雨の日には営業マンが多い。そのコースを行けば、殆んどの書店が駅ビル内かターミナルという、傘のいらないルートであるからだ。
・地域によって多少は異なるが、書店の忙しい時刻はまず開店と同時にやってくる。朝一番の取次店からの荷物が着くからだ。次に昼休みの時間帯と、夕方の退社時刻が閉店までが忙しい
・御茶ノ水、茗渓堂の坂本克彦は、次のような営業マンが来ると、その場で帰っていただくと言った。この本は良い本ですしか言わない人。良い本かどうかは読者が決めるものだからだ。それと、例えば梅田の紀伊國屋書店のような大型店ではいっぱい売れている、だから置いてくれという人。それならば、その大型店だけで売ればよいではないか。
・人の心を掴むことができる本は、極端なことを言えば、定価なんか関係ない。
・出版社の営業マンは、書店を訪問した時に、自社の本を必ず、売れる本です、良い本ですと異口同音に言いがちだが、この手の台詞は何篇言っても、繰り返すだけ無駄であると思っている。本の善し悪しを、最終的に断定するのは唯一読者に限られているからである。
・顧客の一番近いのは書店の人である。だから、出版社の営業マンに要求されるのは、どのようにしたら、書店人が万全に読者に橋渡ししてくれるかという一点に尽きると思う。
●書籍「本屋は僕の戦場だった」より
斉藤 一郎 著
北宋社(1983年3月初版)
※アマゾンでは見当たらないため、https://www.kosho.or.jp/で検索かけると書籍情報が見つかります。※2009年2月4日現在