常世田 良 氏より (書籍「浦安図書館にできること」より)
このページは、書籍「浦安図書館にできること~図書館アイデンティティ(常世田 良 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・基本的には図書館経営の基本に忠実に業務を行ってきた、そのことが市民に評価されたということだと思う。具体的に言うと、専門職の配置、市民の身近に施設を配置、資料費という三つの要素を重視したことにつきる。
・一〇年前から、ピラミッド型の組織から、業務別のグループを中心とした組織へと徐々に移行して、現在は選定から廃棄まで一貫した資料の管理を行なう「蔵書構成グループ」と各種のサービスと内部業務を担う「業務グループ」によって組織されている。
・世界の大きな変化------「自己判断・自己責任」が求められる
・私ども図書館では、七〇%近くの本が文学以外の本です。
・私どもの図書館でも成人男子の利用が多く、仕事上の情報を収集している人が増えてきています。
・私は図書館にとって最大の課題は政策だと思っています。
・一冊の本がその人の人生を変えることがある。ですが、実際はさまざまな本を毎日のように読むことによって、少しずつその人の生活が変わっていくということのほうが多い。
・立花隆さんがいろいろ調査された結果、情報を手に入れるための時間とコストを本や雑誌と比べると、本、雑誌の方が時間もコストもかからないことがわかった。(※インターネットと比較して)
・インターネットと本の組み合わせが情報収集では効率的だということです。そのためには一定の面積を持った図書館がなければ無理です。
・図書館費は人件費も含めて、市の一般会計の一・三%くらいです。一般的には一%あると質のよい図書館サービスができるといわれていますが、それよりは少し多くなっています。
・利用の多い理由は、まず、歩いて一〇分以内でどこかでの図書館にたどりつけるような施設配置を行なっているということがあります。
・有名な調布図書館(おそらく児童サービスでは全国有数のレベルにある図書館)
・公共図書館の目的は知識と情報の提供
・アンケートを取ったところ、図書館利用者の八八・八パーセントが書店からも本を買い、その金額は月に二四〇〇円になることがわかりました。
・本を好きな人の多くは、自分の好きな本を人に薦めたくなるものです。それは、人間が、知識・情報を共有化したいという欲求を根源的なところでもっているからだと思います。
・ビジネス支援図書館推進協議会
※http://www.business-library.jp/
・浦安市民の九〇%は、自宅から歩いて一〇分以内にいずれかの図書館へ行き着くことができる。
市民の六〇%近くが日常的に図書館を利用しており、市民一人当たりの貸出点数も、購入予算も、全国トップクラスである。
したがって、もし図書館が書店の売上げを阻害する存在であるならば、浦安市の書店の売上げは大きく減少し、書店の経営にも影響が表れるはずである。
しかし、浦安市内の書店店舗数は、中央図書館が開館し市民一人当たりの貸出点数が全国第一位になった一九八三年以降増加している。
とくに現在六、七店ほどある大型書店は、すべてこの一八年間に開店しており、いまも順調に経営を続けている。
・図書館が果たしている役割の一つは、本の「ショーウィンドウ」である。書店から返品されてしまった本を図書館で手にとって内容を確認し、自分にとって必要な本かどうかを確かめてから、書店で客注する人は多いはずだ。
・図書館がリファレンスサービスを通して市民に情報の有効性を気づかせることができれば、そのことが本の購入を促す結果につながる、と考える。
・博報堂生活総合研究所の首都圏を対象にした調査によれば、市民が「情報に対する欲求が高いが、探し出すために時間がかかることに不満を抱いている」ことがわかる。
●書籍「浦安図書館にできること~図書館アイデンティティ」より
常世田 良 著
¥2,730
勁草書房 (2003年5月初版)
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