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書店の立地の変化
1年間に1000店以上の書店が統廃合で淘汰されています。そんな状況の中、書店は時代とともに販売に結びつくよう立地条件を変えてきました。では、どんな変化をしてきたのでしょうか?
書籍『流通データでみる出版界 1974‐1995(武塙 修 著)』の中から、株式会社ニッテン、専務取締役、八百一喜(やおかずのぶ)氏が書かれた「書店の立地の変化」から学んでみたい思います。
書店の立地の変化
書店は新たな販路を求めてその立地を変化させてきた。それは大きく分けると4つの時代に分類することができる。
①商店街・繁華街の時代
大型店は繁華街に、中・小の店舗は商店街に立地
②ショッピングセンター(SC)の時代
70年代に出現したビックストアやSC内へのテナント出店。
③駅ビルの時代
旧国鉄・JRを中心とした駅ビルSC内への出店。
④郊外の時代
80年代に入って、都市と都市を結ぶ生活線上や、中心街から郊外へ向かうアーバンエッジに出店。駐車場完備、終夜営業、フリースタンディング(独立店舗)複合型書店も誕生。
このような①から④の立地の変化は書店の新しい販路を求めての市場開拓であった。さらに現在は新しい2つの立地のタイプがあらわれてきている。
⑤-1 新複合SCへの出店
これは商業、住宅、オフィス、コンベンション、ホテル、文化センターなど、いろいろな用途、目的の機能が複合したもので、最近に例では横浜のランドマークタワーや恵比寿のガーデンプレイスがその代表的なもの。
⑤-2 郊外型店舗の集積型商業施設への出店
これにはパワーセンター型とビレッジ型の2つのタイプがあり、パワーセンター型はカテゴリーキラーといわれる大型のディスカウントストアの集合体をいい、ビレッジ型とは地元店舗の集約型で、いずれも単独型の郊外店に比べ集客力が大きく、今後のロードサイドの開発パターンとして注目される。
●書籍「流通データでみる出版界 1974‐1995」より
武塙 修 著
出版ニュース社 (1997年4月初版)
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