金平聖之助 氏より(セミナー『米・出版界の生き残りの決め手』より)
このページは、セミナー『米・出版界の生き残りの決め手(講師:金平聖之助 氏)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・パウエルズ・ブックスの3つの戦略
1、ユーズドで売る
2、ネット書店で売る
3、著者とのイベントを積極的にやる
※アメリカ パウエルズ・ブックス マイケル・パウエル氏
・ブックツアーとは、作家が自分の新作を携えて、全米各地の本屋や大学を巡りサイン本を作ったり、朗読会や質疑応答をして、その土地の読者と交歓するものである。日本ではあまり馴染みがないが、アメリカでは作家の仕事として認識されている。毎日新聞 「時代の風」2009年4月12日 作家 桐野夏生氏より
・日本の出版界は恵まれている。日本語という言語があり、他国から入ってこない。取次が全国に配本して回収までしてくれる。
・編集と営業の情報を一緒に売っていく。※ポプラ社、坂井宏先氏
・キンドルを通じてベゾスが期待しているのは、customer loyalty(カスタマー・ロイヤルティ)づくり。※顧客の心をつかみファンを増やすこと。
・セルフ出版の原動力となっているのは、ビジネスカード(名刺)代わりに自著を利用してスティタス・アップを図るプロフェッショナルたちや、家族や友人たちへギフトとして自著をプレゼントする人たち。
・コミック・ブックスやグラフィック・ノベル(GN)は、共に教室や図書館において無視され続けていたが、やっと幼稚園から中学校、さらに高校、大学で教材として使用される傾向が目立ちはじめている。図書館、学校市場へのグラフィック・ノベル(GN)売上高は2001年の100万ドルから2007年には3,000万ドル超にまで躍進。
・デジタル出版
インディ系、ケンジントン社
新刊発行だけでなく、既刊本出版に力を入れていく。
・デジタル出版
アシェット・ブックグループ社
もっとも力を入れているのは、既刊本のデジタル版化。
・ベゾスがアマゾンの成功の要因として挙げたのは、“wide selection(豊富な選択の幅) ” “competitive prices(他に負けない低い価格)” “fast delivery(迅速で確実な配送)”の3点。
●セミナー『米・出版界の生き残りの決め手』より
講師:出版文化国際交流会 理事(元小学館国際室長) 金平聖之助 氏
日時:2009年5月27日(水)
主催:出版ビジネススクール事務局
※出版ビジネススクールのサイトはコチラから
▼講師略歴:金平 聖之助 ( かねひら しょうのすけ )氏
1928年生まれ。80歳。※2009年5月27日現在。1951年、早稲田大学教育学部英語英文科を卒業して小学館へ。幼児誌 『幼稚園』 『よいこ』 『めばえ』 の編集長を歴任し、国際室長も兼務。88年から大妻女子大学教授。2001年から出版文化国際交流会理事。
著書に『世界の出版流通(サイマル出版会)』、『アメリカの出版・書店(ぱる出版)』、『世界のペーパーパック(出版同人)』 『アメリカの雑誌(日本経済新聞社)』、『アメリカの雑誌企業(出版同人)』、『最新アメリカ雑誌情報(アメリカ出版研究会)』がある。