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文庫の特徴と傾向
文庫を世に広めたのが岩波書店と言われています。本の大きさは、縦148ミリ、横105ミリがもっとも読まれているサイズでA6判です。単行本と違って、小さく軽く持ち運びに便利で値段が安いのが特徴です。
文庫は、ほんらい古典的作品が多く長い間読み続けられるよう気軽に読みやすい大きさや重さ、価格で提供するために生み出されたものです。
そんなことから、単行本と違って文庫は多くの場合は用紙を薄いものを使い、並製と呼ばれる紙質の柔かい表紙が一般的です。
1970年頃から、古典的な作品ばかりではなく、単行本で支持されたものや人気作家の本が文庫化されるようになってきました。日本で最初の文庫本は『袖珍名著文庫』(冨山房 刊)で1903年(明治36年)に発行されたものです。袖珍は小型本の意味。
A6判になったのは岩波文庫からで1927年(昭和2年)からでした。戦後1949年には角川文庫が創刊され、新潮文庫と合わせた3大文庫と言われた体制が確立しました。