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出版業界の豆知識

[ 出版業界の専門用語 ]

腰巻(こしまき)とは

腰巻とは、帯(オビ)のことです。帯は、書籍の表紙や外箱に帯のように巻いてある紙のこと。他には腰帯(こしおび)とも呼ばれたりします。本を出すことは、子を産んで育てることに例えられることから、人が着る衣服や着物からこのように帯や腰巻、腰帯と言われたようです。
 

現在は各出版社の個性が出て、大きさもまるで胸の位置まであるような帯(オビ)もあります。腰巻(帯)の目的は、広告宣伝のために使われることが多く、本の紹介や著名人の推薦文、売り言葉が書かれていることが一般的です。大きさは4cm~8cmの幅が多く、腰巻(帯)をつけることを前提に装丁のデザインがされています。


また、腰巻(帯)のはじまりは、明治33年(1900年)に民友社が刊行した『自然と人生(徳富蘆花 著)』と言われています。


 ↓↓↓ 参考 : 書籍『出版販売用語の始まり(松本 昇平 著)』  ↓↓↓


 ----- 腰巻 ----- 

書籍の内容の一部を紹介する目的で表紙の下の部分に帯状に巻いた紙。明治三十三年、民友社が『自然と人生』につけたのが元祖である。(中略)そのほとんどが白帯で、あくどい色を使うことは本の品位を傷つけるため避けていたようだ。


●書籍『出版販売用語の始まり』より
松本 昇平 著
ビーエヌエヌ (1992年3月初版)
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他には、大正3年刊行の書籍にも腰巻がついたいると書かれている書籍があります。

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腰巻(中略)この起源(中略)

書物研究家、種市登氏の教示によるとすでに大正三年刊の阿部次郎『三太郎の日記』(東雲堂)や、同十四年のトルラー著、村山知義訳『燕の書』(長隆舎)などにも、すでにこれがついている。


●書籍『本の環境学~紀田順一郎 書物評論集』より
紀田 順一郎 著
出版ニュース社 (1975年11月初版)
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いずれにしても、明治時代の後半から、大正時代の初期には、腰巻が普及していたことがうかがえます。

 

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