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返品することを嫌っていた明治、大正時代の書店人
ここ数年の返品率推移を出版科学研究所の『2009年出版指標年表』からみると、
返品率
【書籍】 【雑誌】
2008年 40.1 % 36.5 %
2007年 39.4 % 35.2 %
2006年 38.2 % 34.5 %
2005年 38.7 % 32.9 %
2004年 36.7 % 31.7 %
2003年 38.8 % 31.0 %
2002年 37.7 % 29.4 %
2001年 39.1 % 29.4 %
2000年 39.4 % 28.9 %
と、相変わらず高い返品率が続いています。特に、雑誌においては返品率の上昇が止まらない状況で、コンビニの返品が増えているようです。しかし、明治、大正時代の書店人は返品することを嫌っていたという文献があります。書籍『出版販売用語の始まり(松本 昇平 著)』から、ご紹介したいと思います。
--------- 書籍『出版販売用語の始まり(松本 昇平 著)』より ----------
・委託
「委託」という用語をいまは新刊、長期などにいとも軽々しく乱用しているが、明治、大正の買切注文時代には避けて通るように嫌っていた。注文した本は買切って責任を以て売るものと頑なな融通の利かない根性で叩きあげられてきた書店人は、万一残本となっても返品という安易は手段以前に自腹を切って割賦販売でその責任を果たしていたのである。
●書籍『出版販売用語の始まり』より
松本 昇平 著
ビーエヌエヌ (1992年3月初版)
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