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出版業界の豆知識

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既刊本が再び売れ始め16万部までいった「きっかけと経緯」を学ぶ

扶桑社から刊行されている書籍に『覚えておきたい!暮らしの基本100』があります。2006年10月に発売された本です。雑誌『ESSE』の連載をとめたもので、調理や掃除、洗濯、冠婚葬祭のマナー、防災に関する身近なものを解説したものになります。


この本が、ある書店員の一言から他店に広がり、2010年7月の発行部数が累計16万部にまでなったのです。その方法と詳細を出版業界紙「新文化」よりご紹介いたします。
 

------- 出版業界紙「新文化」 2010年7月29日号より ---------


約四年前に発売された書籍「覚えておきたい!暮しの基本100」(扶桑社)が街の本屋さんの一言から生き返り、この七月発行部数が累計十六万部にまでなった。


同書は二〇〇六年十月の発売からおよそ五週間で売行きが止まってしまっていた。しかし、昨夏にブックショップ書楽(東京・杉並区)から「雑誌棚に差しておくだけで売れる」という何気ない一言から、インデックス付きの見本を拡材として、東京近郊のBOOKS昭和堂(千葉・習志野市)、紀伊國屋書店玉川高島屋店(東京・世田谷区)、有隣堂ルミネ横浜店(横浜・西区)で仕掛け販売を開始。


昨年九月には「ちょっと困ります。こんな本出されたら他の本が売れなくなるでしょ!このボリュームで980円は安い!」とヴィレッジヴァンガード福山ロッツ店(広島・福山市)の手書きPOPを見本に貼って、全国およそ一五〇〇店舗で拡販態勢を敷いた。


昨年十二月、ラックス奈良柏木店(奈良)で五八冊を販売。オリオン書房ペーパーウォールエキュート(東京・立川市)では一月、九面陳列で一〇八冊。同ルミネ店(同)では二・三月、一六面陳列で二七〇冊を販売。大垣書店イオンモール京都ハナ店(京都・右京区)でも三月だけで一七〇冊を販売し、単月最高記録を更新。その後も五月末までに累計四四〇冊と売り伸ばしている。そのほか、BOOKEXPRESSディラ大船店(横浜・栄区)、いまじん春日井南店(愛知・春日井市)など多くの書店で増売を仕掛けて実績をあげている。


同書は「ESSE」の連載「まずは基本から!」をまとめたもの。料理や炊事、収納など“ちょっとした生活の知恵”を写真入りで編集した。初版は五万部を発行。取次会社からおよそ三五〇〇店舗に配本されていた。数週間で返品もあり、市中在庫がほぼなくなっていた。


昨夏以降の全国約一九○○店におよぶ仕掛け販売によって、毎月一万部のペースで重版がかかり、ヒット作の仲間入りをした。同社販売部によると、「見本を置くと売行きで七倍の違いがある。書店の努力で売れる本。取次会社の協力もあり、書店からまだ毎日注文がくる。当面は三○万部を狙いたい」と語っている。


新文化 2010年7月29日より
※新文化のウェブサイトはこちらから
http://www.shinbunka.co.jp/

扶桑社のウェブサイトはこちらから
http://www.fusosha.co.jp/
 

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