寺内 正樹 氏(書籍『個人事業のままでは損!会社にするとゼッタイ得する!』より)
このページは、書籍『個人事業のままでは損!会社にするとゼッタイ得する!(寺内 正樹 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・個人事業のままだと税金を多く払ったり、取引先との制限が出てくるなど、会社に比べて恩恵を受けられないことがあります
・ある程度の事業規模になると会社のほうが税金が安くなるのです。さらに、家族に対する取り扱いの違い、生命保険、退職金などを利用した節税は会社のみ行うことができることです。
・自分が出資した範囲のみ責任を負うという有限責任の会社であれば、個人の財産を守りながらビジネスができます。
・所得が350万円以上なら会社の方が税金が安い(中略)会社にすると、あなたが同じ金額をもらっていても「給与所得控除」の分だけ、所得金額を低くすることができるのです。(中略)
会社にしたときの所得の節税効果
個人事業者
売上額(事業収入) - 必要経費 = 個人事業の所得
あなた 1000万円 - 400万円 = 600万円
会社
売上額(法人収入) - 必要経費 - 役員報酬 = 法人の所得
1000万円 - 400万円 - 600万円 = 0円
↓
法人税なし
会社役員
役員報酬 - 給与所得控除 = 役員の所得
あなた 600万円 - 174万円 = 426万円
所得税額 42万4500円
・個人事業より会社のほうが所得の分散を行いやすく、配偶者控除・扶養控除などの制度も利用しやすいので、節税しやすいのです!
・個人事業の生命保険は所得控除の対象であっても金額が小さい。一方、会社の生命保険料は全額を必要経費にすることもできます!
・自宅を社宅にすると税金が安くなるのか?
個人事業では事業用部分だけが必要経費になりますが、会社の場合は自宅を社宅にして居住用部分を含む家賃や修繕費などを必要経費にできます!
・資本金が1000万円未満の会社を立ち上げた場合、設立から2期分の消費税が免除されるのです。(中略)会社設立当初2期分だけは売上金額にかかわらず(中略)
例えば、10月1日が会社設立日のときに11月を決算月にすると、第1期は2ヵ月になります。それが9月を決算月にすると、第1期目は12ヵ月になります。両者を比べると、消費税が免除される期間は10ヵ月の差があり、9月を決算月にしたほうが、消費税の関係ではお得であるといえるのです。
・繁盛期を避けて第1期の事業年度を長くする(中略)
一般的には、3月を決算月にする会社が多いイメージがあるかもしれませんが、実は全体の約20%程度です。
ポイントは、①なるべく第1期目を長くすることと、②繁盛期を避けることです。
・助成金は申請期限が決まっているものが多く、「中小企業基盤人材確保助成金」は、創業などから6ヵ月以内に申請しなければなりません。
・助成金は、何もないところからお金をもらえるのではなく、人件費や経費の一部が戻ってくるというイメージのものです。
・健康保険には、「傷病手当金」と「出産手当金」という制度がありますが、国民健康保険には通常ありません。
・会議費は、個人事業だけでなく、会社でも上限なく必要経費にできます。
・会社をつくる前に絶対に知っておきたいこと(中略)
法人化でかかる経費
個人事情であれば赤字になると、個人住民税として最低4000円で足りますが、会社の場合は赤字でも法人住民税として最低7万円を支払わなければなりません!
・株式会社を設立する際は、15万円(資本金が約2142万円ぐらいまでの会社)かかります。他にも公証役場での「定款認証手数料」として約9.2万円、設立後に「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」を取得するために1通につき1000円、印鑑証明書を取得するために1通につき500円がかかります。つまり設立時に、約24万円(電子認証時は約20万円)かかることになります。(中略)これらは法律で決まっている金額のため、残念ながら変更はできません。
・株式会社設立チェックシート
・資本金は、あなたのビジネスの状況を考え、最初に軌道に乗せるまでの間、困らない程度の金額を設定しておくことが望ましいのです。(中略)私の経験からすると、50万~500万円ぐらいの規模ではじめることが多いようです。
・決算月はどのように決めればいいのか?
決算月は、基本的には第1期目が長くなるように設定し、さらに繁盛期と重ならないように注意するポイントです!
・国税庁の統計でも、20%程度の会社の決算月が3月になっている
・出資の配分はどのように決めればいいのか?(中略)
議決権の3分の2を確保する資本金の66.6%を超える出資ができれば、さらに安定度合いが高まります。(中略)
現金がなくても、現物出資を利用すると、出資割合を確保できる可能性があります。
・第三者の役員のメンバーを入れる場合、これらの事態も想定して任期を短めに設定しておくと、万が一のときのために安心です。
・会社の設立日はどのように決めればいいのか?(中略)
とくにこだわりがない場合は、なるべく月のはじめのほうに設立日をもってくるのがおすすめです。なせなら、そのほうが第1期目を少しでも長くできるからです。すると、すでに紹介した消費税免除の期間も長くすることができます。
・創業時によく使われる助成金は、大きく3つあります。(中略)
1つめは、「中小企業基盤人材確保助成金」です。(中略)
2つめは、「高年齢者等共同就業機会創出助成金」です。(中略)
3つめは、「受給資格者創業支援助成金」です。
・専門家に依頼すると、個別具体的な相談に応じてくれ、手続きの速さ・正確さ、労力・費用の削減でもメリットがあります!
・会社をつくる手順はどのようなものなのか?(中略)
具体的な設立手続きの流れは、大きく以下の7つのステップに分かれています。
①基本事項の決定
②事前の準備・・・・・・・・・・・・法務局・市区町村役場・印鑑ショップ
③書類の作成
④定款の認証・・・・・・・・・・・・公証役場
⑤資本金の払い込み・・・・・・銀行
⑥登記の申請・・・・・・・・・・・・法務局
⑦設立後の届出・・・・・・・・・・・・税務署・年金事務所・労働基準監督署・ハローワーク
・登記申請書に添付する書類(中略)
◆発起人決議書
◆取締役互選書
◆就任承諾書
◆財産引継書
◆調査報告書
◆資本金の額の計上に関する証明書
◆印鑑証明書
・従業員を雇うタイミングは、「あなたの時間がなくなり、考える余裕がなくなったとき」だと認識しておけば、1つの目安になります。
●書籍『個人事業のままでは損!会社にするとゼッタイ得する!』より
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