田代 真人 氏(書籍『電子書籍元年』より)
このページは、書籍『電子書籍元年(田代 真人 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・私は今年3月に設立された株式会社アゴラブックスの取締役に就任した。これは、経済学者の池田信夫氏、アスキー創業者の西和彦氏、ベンチャー起業家の渡部薫氏と設立した電子書籍専門出版社だ。政治・経済分野を中心にした電子書籍を発行する予定である。
(※参考:http://www.agora-books.com/)
・最近は、統一した電子書籍のファイル形式としてepub(イーパブ)形式という統一規格がある。にもかかわらずキンドルストアで販売されている電子書籍はキンドル独自の形式を採用している。
・縦書き文化の日本人(中略)
いま現在日常的に使用されているのは、実に、ほぼ日本だけなのである。近代においても中国も韓国もほとんどが横書きになってしまった。
・紙の書籍の場合、表示できない漢字は、無理やり作って、“絵”として文章に貼り付けているのが現状だ。では、それらは電子書籍になればどうなるのか?やはり日本語を表示できる独自のeブックリーダーでないと読めない可能性が非常に高い。
・テレビを観てから手に入れるまで、その間30分程度。これこそが電子書籍の醍醐味ではなかろうか。
・ここ数年、ネット時代になってからは、検索にヒットするように書籍のタイトルにも知恵を絞るようになってきた。サブタイトルに至ってまで検索を考慮して付けられることが多い。
・日本のアップストアでは、販売業者が設定できる価格帯は自由だが販売価格には制約がある。階段状に価格が決められているのである。0円、115円、230円(中略)最高で11万5000円まで価格をつけることができる。
・電子書籍の価格設定(中略)
アメリカでもっとも売れているアプリの平均価格は2.66ドルである。日本円で約250円。書籍になると異なるという考え方もあるが日本でもたいして変わらないのではないか。とすると、なるべくこのあたりの価格に近づけたほうがヒットの確立は高い。
・特筆すべきは彼らは(※イギリスのロックバンド、レディオヘッド)はこのアルバム(※インレインボウズ)には価格を設定せず、ユーザーが好きな価格で購入できるようにしたのだ。いわゆる“投げ銭システム”だ。(中略)
このうち、お金を支払わずダウンロードした人は38%、お金を支払った残りの62%のへ金購入額は6ドル(約550円)だった。無料ダンロード分も入れると平均2.26ドル。有料ダウンロードで支払われた価格帯としては、8~12ドルが52%、12~20ドルが27%、4~8ドルが12%、4ドル以下は8%だった。
●書籍『電子書籍元年~iPad&キンドルで本と出版業界は激変するか? 』より
田代 真人 著
インプレスジャパン (2010年5月初版)
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