雑誌『編集会議/電子出版 2010年 11月号』より
このページは、雑誌『編集会議/電子出版 2010年 11月号』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・4年ぶりに書籍の出版企画・制作実態調査を実施 日本書籍出版協会
●出版企画の採否はどこで決定しますか。
企画会議 37.1%
会議を経て役員会 28.4%
役員会(社長決裁含む) 19.8%
編集責任者 5.6%
その他 8.1%
●タイトル(書名)はどこで決めますか。
編集部 31.9%
会議で 31.9%
著者と編集部 9.9%
編集部と営業部 6.0%
著者と編集部と営業部 5.2%
著者 4.7%
その他 10.3%
●編集者ひとり当たり、1年間に平均何点を仕上げますか。
1~4点 20.7%
5~9点 47.8%
10~15点 25.4%
16点以上 3.9%
その他 2.1%
●外注の装丁基準料(カバー、表紙、帯、扉)はA5判・上製本で平均いくらくらいですか。
5万円未満 12.9%
5~10万円未満 44.8%
10~15万円未満 28.9%
15万円以上 5.2%
その他 8.2%
●本体価格、発行部数はどこで決定しますか。
定価・部数決定会議 34.5%
役員会(社長決裁を含む) 28.0%
編集責任者 9.9%
編集・営業責任者 5.2%
役員会と編集責任者 4.7%
営業責任者 3.9%
役員会と定価部数決定会議 2.6%
その他 11.2%
●重版・増刷の決定は。
上記(新刊の価格・部数の決定経路)と同様 68.1%
営業部(担当・責任者含む) 17.2%
編集・営業 3.0%
その他 11.7%
●本体価格を決定する際、通常次のどのような事項を考慮していますか。(複数回答可)
直接製作費(用紙・印刷・製本費) 95.7%
印税・原稿料 83.6%
類書の本体価格 78.9%
初版販売見込部数 77.6%
読者層 63.8%
外注費 62.5%
編集費 62.1%
内容の価値 47.4%
編集人件費 39.7%
宣伝・広告費 33.6%
重版販売見込部数 32.8%
販売経費 22.8%
編集・製作に要する期間 7.8%
●初版発行部数の決定に際し、通常次のどのような事項を考慮しますか。(複数回答可)
自社類書の実績 72.8%
編集・製作・営業責任者の経験とカン 62.9%
営業部員の判断 50.0%
他社類書の売れ行き 46.1%
著者・関係者の買い上げ数 44.0%
編集・製作部員の判断 39.7%
取次・書店の意見 25.4%
オンライン書店データ 20.7%
読書調査 8.6%
・電子出版に関する出版社アンケート
●書籍
書籍の電子化に取り組んでいる 37.9%
書籍の電子化に取り組んでいない 62.1%
●採用している電子書籍ファイル形式
1位 PDF
2位 XMDF
3位 HTML
4位 .book
●電子書籍の販路(複数回答)
1位 電子書店
2位 AppStore
3位 自社サイト
4位 その他
●電子化を行っていない出版社のうち、書籍の電子化について導入予定
まもなく導入する予定 8.3%
導入の方向で検討している 19.4%
導入したいが具体的な検討にはいたっていない 41.7%
いまのところ導入の予定はない 22.2%
その他 8.3%
・最近、出版会ではクロスメディアという言い方をやめて、ハイブリッドという言葉を使い出しています。これは紙も電子も同時に展開してことを意味している。
・「グーグルエディション(Google Editions)」。書籍検索のグーグルブックスと連動し、検索結果でヒットした書籍を電子書籍として購入できる。
・アメリカでは、大手・中堅出版社のほとんどがグーグルブックスにすでに参加しており、その多くが、グーグルエディションも利用する意向を示している。
・グーグルエディションのポイント
<ユーザーメリット>
●検索・試し読み・購入までワンストップでできる。
●検索結果に書籍の内容も表示され、より多くのデータベースでも検索が可能になる。
<出版社メリット>
●PDFか書籍を送れば出品できる手軽さ
●レベニューシェアのため、初期費用がほぼゼロ
●潜在ニーズと書籍のマッチング
・現在は最終印刷データが印刷会社に集約されているのが現状だ。日本書籍出版協会が行った調査では47.4%の出版社が書籍の最終データの管理を印刷会社にゆだねており、自社で管理をしていない。
・デジタル化、ソーシャル化で編集者・ライターはどう変わる?
メディアの可能性として、グーデンベルグ以来の変化だというのは事実でしょう。※ダイヤモンド社 書籍編集局 局長 今泉憲志氏
・電子に向いているのは、一般の読書向けの経済書、ビジネス書、実用書といったところだと思います。
※東京電機大学出版局 局長 植村八潮氏
・読書は脳の働きでいうと情報を入出力すること。本を読めば、考える癖がつく
※養老孟司氏
・------人生に影響を与えてくれた本はありますか。
本からはありませんね。私が強い影響を受けるのは、現実からのほうが多い。
※養老孟司氏
・本を特別扱いすることに疑問を持っているのは、そもそも本の世界はウソだと思っているからです。これはひとつの警告ですね。「本から得た知識を絶対視するな」という。※養老孟司氏
(中略)読み方によって本は毒にも薬にもなるということですね。
・------どんな基準で本を選びますか・
基準は特にないです。気の向くまま。基準なんて設けず、自分の好きに選べばいいと思いますよ。私は人に選んでもらっては、選ぶおもしろ味がなくなると思っているので。※養老孟司氏
・インターネットを利用すると頭の使い方、考え方が散漫になります。どういうことかというと、すぐにわからない部分を検索するので、ひとつの考えに定着していられなくなるんです。(中略)ひとつのことをずっと考えるとか、主題を追うような思考が形成されにくくなる可能性があります。
・本や雑誌は「商品」であると同時に、「何かが宿っているもの」「見えない種が埋め込まれているもの」です。※新潮文庫編集部 部長職編集委員 寺島哲也氏
●雑誌『編集会議/電子出版 2010年 11月号』より
宣伝会議 (2010年9月刊行)
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