谷口 祥子 氏(書籍『口ベタでもうまくいく!ほめ方の極意』より)
このページは、書籍『口ベタでもうまくいく!ほめ方の極意(谷口 祥子 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・十年近くコピーライターとして働いていました。けれども才能を認められることもなく、おまけに人間関係づくりも大の苦手。さらには激務で身体をこわしてしまし、クビ同然で会社をやめたのです。
・ほめ言葉には相手の人生を変えてしまう大きな力があります。そして同時に、あなたの人生さえも大きく変える力を持っているのです。人と満足なコミュニケーションすらとれなかったこの私が、たった五年の講師経験でこのたび四冊目の本を出版できたのも、この「ほめる」コミュニケーションを身につけ、まわりの人たちと信頼関係を築くことができたからにほかなりません。
・「ほめる」=「相手を認めていることを伝えるアクション」です。おだてたり媚びたりするのは、心底相手を認めていることにはなりません。
・「ほめる」も「叱る」も根っこは同じ。相手に対する愛情表現なのです。だから「ほめる」のがいいのか「叱る」のがいいのか、という問題ではなく、相手を認めて受け入れ、大切な存在としてかかわっているかどうかということがポイントになります。
・ニューロロジカルレベル
アイデンティティ(自己認識)
信念・価値観
能力
行動
環境
より上のレベルの事柄をほめると、相手の心に響く(中略)
相手の使命感や信念、存在そのものをほめることが、心をつかむポイント。
・ほめ上手になるための基本要素は「相手の話を聴く」ことと「相手を観察する」ことです。(中略)
相手の話に耳を傾け、相手の表情や態度、持ち物などを観察しよう。そこから相手がほめてほしいポイントが見つかる。
・本人のいない場所でいう「ほめ言葉」は直接伝えたときの何倍もの効果を発揮する。
・気難しい相手にも使える【質問話法】(中略)
ほめ言葉を素直に受け止めてくれない人にうまく好意を伝える方法が【質問話法】。「あなたって話が上手ね」というストレートなほめ方ではなく、「どうすればあなたのようにうまく話せるようになるの?」というような、質問を使ったほめ方なのです。相手には「質問」のひとつのようにしか聞こえないのがポイント。
・誰にでも素直に受け止めてもらえる【iメッセージ】(中略)
【iメッセージ】(主語を「私」にしたメッセージ)(中略)
普通は人をほめるというと、「気配り上手ですね」「ムードメーカーですね」というふうに相手になんらかのプラスの評価を与えるメッセージが多いもの。けれども、この【iメッセージ】はあくまでも「私は○○と感じた」と、自分の気持ちや感じたことをただ伝えるだけであり、相手に対する評価ではありません。
・相手のセルフイメージを上げる【レッテル効果】(中略)
「○○さんって親切ねぇ」
「○○さん親切な人だから」(中略)
前者は相手に対するプラスの評価であり、一般的なほめ方です。後者は【レッテル効果】といい、相手を「親切な人」であると断定したほめ方。(中略)
相手に自信を持ってほしいときや、相手に自発的に動いてほしいときは、断定的に表現する【レッテル効果】を使って相手をほめると効果が高いのです。
・人をほめるときの目線には三通りあります。ひとつは「キミは若いのになかなか立派なこというね」といった上から目線。もうひとつは「カッコイイ!」「ステキ!」といった同じ目線からのほめ方。そしてもうひとつは「私には逆立ちしてもできないことです」といった下から目線のほめ方です。
・相手が言った悪口を、ほめるきっかけにする
「あいつは自分の能力を過信しているんだよ。いつも支えてやっているオレたちに、ちゃんと感謝する必要があると思わないか?」(中略)
そんなときは批判に同調するのではなく、「○○さんは、人に感謝することを大切にされているのですね。私は自分の仕事が大変だとつい感謝の気持ちを忘れがちなのですが、尊敬しますよ~」というふうに、悪口をいっている当人をほめてしまうのです。
・第三者から伝え聞くほめ言葉は、操作性を感じにくいので受け容れやすい。真実味が増すというメリットもある。
・【相談する】ということは、直接ほめていなくても「あなたの実力や人間性を認めていますよ」という力強いメッセージになります。
・私は自分が二十七歳のときに対人恐怖症になってしまって精神安定剤とアルコールが手放せなかった
・普通私たちは『どうやったら立ち上がることができるんだろう?』などと考えながら行動しませんよね?彼の場合は、歩けなくなったことが、人が歩行できるようになるメカニズムを知るきっかけになったのです。つまり『できない』とか『苦手』だということさえ、ひとつの強みになりうるのです
※催眠療法の父、ミルトン・エリクソン氏の話
・「信・認・任」とは文字通り、部下を信じて、認め、任せるということ。
・部下がグンと成長する、究極のひとこと
「教えてくれませんか?」
これは、上から目線にならずに、相手の能力を認めていることを伝える、究極のほめ言葉だと私は思います。(中略)
逆に「オレがいろいろ教えてあげるよ」というアドバイス好きな人は煙たがられる傾向があるといいます。
・結果が思わしくないときはプロイセスをほめる
・初対面の相手に心を開いてもらえるほめ方のポイントを三つ意識してみましょう。①名前をほめる、②仕事をほめる、③会えた喜びを伝える。(中略)
①名前をほめる(中略)
「縁起のいいお名前ですね~」(中略)「華やかなお名前ですね~。私は平凡な名前なので、○○さんのようなお名前にとっても憧れます」(中略)
②仕事をほめる(中略)
「素敵なお仕事ですね。憧れます」(中略)「今、すごくニーズが多い仕事ですよね」
③会えた喜びを伝える(中略)
「お会いできてうれしいです」「ずっとお会いしたかったんです」
・「ありがとうございます」といわない承認式セールス(中略)
セミナー参加を決めた人に対していう言葉に特徴があるのです。それは「素晴らしい!」とか「おめでとうございます!」という承認・祝福の言葉なのです。
・一般のスーパーでお買い求めいただくよりは若干お値段が高いですが、ご家族やご自身の健康に対する意識の高い方には大変ご好評をいただいています」。こんなふうに、自らの自社商品の愛用者であると楽しそうに語り、意識の高い人向けの商品である、というニュアンスのセールストークをするのです。
・さりげなくアピールする「自分ぼめ」のポイント(中略)
「ボクは文書を書くしか能のない、文章オタクです」。(中略)一瞬謙遜しているようにしか聞こえないこのフレーズ。でも一度聞くと、この人が文章のプロであることがしっかり脳にインストールされてしまう。(中略)
相手を立てながらさりげなく自分の長所をアピールできるのが、この「強みを弱みのように語る」方法。初対面でインパクトを与えたい場合、あるいはさりげなく自分の強みを知ってもらいたい場合におすすめです。
・相手にとって「特別な存在」になるための口説き文句(中略)
「ここだけの話なんだけど・・・・・・」「あなだだからいうんだけど・・・・・・」。こんなふうにいわれると、相手から特別に信頼されていると感じるのではないでしょうか。
・クレーム対応コンサルタント、谷厚志氏によると、お客様の怒りをやわらげていい関係をつくるためには、感謝の言葉が必要不可欠であるといいます。「私どもでも気がつきませんでした」「大変勉強になりました」「ご連絡をいただきありがとうございました」といった言葉を伝えることで、顧客満足度は飛躍的に上げるとのことです。
・相手の気持ちを害さないように断るには、「感謝の言葉」「ほめ言葉」「断る理由」「謝罪の言葉」「喜びの言葉」を盛り込もう。
・あなたのちょっとしたひとことが、まわりの人たちを力づけます。それは相手にとってプラスになるばかりではなく、あなたへの信頼や感謝となって返ってくるのです。それてほめる習慣を広めていくことで、組織や社会全体を活性化することができるのです。
・私は二十歳のときに母をうつ病で亡くしました。まだ五十歳という若さでした。更年期障害を併発していたので、さぞかしつらかっただろうと思います。私は母を支えきれなかった自分を責めました。そしてこんな家庭に生まれてきてしまったという運命を嘆きました。母のDNAを受け継いでいる私は、いずれ同じような道をたどるに違いない、と将来に絶望。だから仕事にもまるで熱が入りませんでした。自分自身を認められないでいたので、とうてい他人を認めることなどできません。人間関係もうまくいかず、やがて二十代後半で対人恐怖症に陥りました。
そんな私でしたが、コーチングに出会うことで、人生が変わりました。
●書籍『口ベタでもうまくいく!ほめ方の極意』より
谷口 祥子 著
講談社 (2011年2月初版)
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