境 真良 氏 書籍『Kindleショック』より
このページは、書籍『Kindleショック』(境 真良 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・キンドル
購入した本のデータはもちろん、ユーザーが書き込んだ読書メモや読みかけのページ情報などをクラウド上に保存し、パソコンや他のデバイス(iPhoneなど)でシームレスに読書を継続できるのが特徴。
・グーグルブックスとは、米グーグル社が始めた書籍の全文検索システムである。(中略)該当部分の前後、本全体の20%を表示してくれる機能もあるから、その言葉が使われている文脈や、関連して使われた言葉などもわかるようになっている。
・出版産業はキンドルでどう変わるか?(中略)
出版社は著者や記者、編集者といった人材に「選ばれる存在」になる。そして、紙の近代的な本と電子の現代的な本の両方を展開し、著者の価値を最大に発揮させる事業パートナーたることを目指すという、まったく正しくはあるのだが現実は「茨の道」であるその王道を、出版社は突き進むことになるのである。
・通常は存在するべきある重要なプロセスがすっぽり抜けているのに気がつくだろうか。それは「通信キャリアと契約する」という段階である。(中略)
キンドルは携帯電話のネットワークを使っている。だが、その契約はアマゾンと米国AT&Tの契約になっており、利用者は一切契約しないでよいことになっている。日本では、AT&Tとローミングしている携帯電話会社(それがNTTドコモかソフトバンクかは明らかになっていない)を通じてサービスが提供される。
・FREEという言葉には、特に英語では二つの違った意味があることに注意しよう。すなわち、その形態に干渉してはならないという「自由」と、対価の支払いなく消費してよいという「無料」である。
・講談社の戦略と角川書店の戦略は、似ているようで、大きく違う。それは囲い込み型とブリッジをなぜ認めるのかという点に係わっている。
講談社の戦略では、あくまで作品の有償売買というビジネスは独立したものとして捉えられている。(中略)
これに対して、角川書店の戦略は、コンテンツの再創作という行為が作品の販売というビジネスと有機的に相関するものであることを期待している。(中略)
コピーを友人やほかの人に見せていくという口コミ型バイラルマーケティングを狙っているのだという考え方である。
●書籍『Kindleショック インタークラウド時代の夜明け』より
境 真良 著
ソフトバンククリエイティブ (2010年5月初版)
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