海地 信 氏 書籍『書店の店頭から』より
このページは、書籍『書店の店頭から』(海地 信 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・出版社の営業マンに毎日のように接しながら、その多くが御用聞き的欠本調査とセットセールであることに何とも言えない味気なさを感じる。(中略)
それとは逆に目先の生産性よりも長期の展望にたって仕事をされている営業マンの印象の方が私には強く焼きつけられている。
晶文社の萬洲さんは大きなボストンに、空ケースやビニールカバーや帯をつめてあわられ、晶文社の汚れた本のカバーや帯を取替えさせてほしいとたんねんにとりかえてゆく、見ているものはその後晶文社の本が少々売れ行きの悪い本があっても簡単には返品できなくなる。
・読む、書く、考える
・いつしか本は読むことから見ることへ傾き、本屋の店頭もカラフルな表紙がところ狭しと並べられ、本を売ることを仕事にしている私ですら、中味を売っているのか表紙を売っているのか錯覚をおこしそうになる。
●書籍『書店の店頭から~本屋はわたしの学校だった』より
海地 信 著
編集工房ノア (1985年7月初版)
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