中村 伊知哉 氏、石戸 奈々子 氏 書籍『デジタル教科書革命』より
このページは、書籍『デジタル教科書革命』(中村 伊知哉 著、石戸 奈々子 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・デジタル技術により、どこに住んでいても、豊富な知識に接することができ、地球上の人たちと交流することができるようになる。
・紙には紙のよさがある。黒板には黒板のよさがある。そろばんには電卓に内よさがある。だが、デジタルにはデジタルにしかできないことがある。
・デジタル教科書は理科、英語、芸術などの教育に有効だ
※前東京大学総長の小宮山宏協議会会長
・かつて映画を見るのは不良といわれた。テレビで一億総白痴化とされた。新メディアが登場するときに旧世代が不安と反発を抱くのは仕方がない面がある。だが、いい映画もあればダメな映画もある。いいテレビもあればダメなテレビもある。メディアが悪いんじゃなくてコンテンツの問題だ。
・情報メディアは3つの要素から成り立つ。1.情報末端、2.ネットワーク、3.コンテンツ=情報だ。
・アメリカのテクノラティ社が2007年に調べたところでは、世界中のブログに使われている言語を統計すると、日本語が37%で、英語の33%を抜いて世界一になったそうだ。日本の若い世代がケータイでどんどん情報を発信している。彼ら彼女らたちはシャイでも表現嫌いでもない。日本は世界でも有数の情報発信国となっているのだ。
・そもそも教科書は誰でも発行できるといものではない。義務教育用の教科書は、文部科学大臣の指定を受けた発行者に限り発行できることとされている。しかも、資本の額が1000万円以上であること。もっぱら教科書の編修を担当し、これを適切に行い得ると認められる者が5人以上置かれていること。図書の出版に関する相当の経験を有する者がいること。
・2009年度の教科書の発行者数は55社。このうち19が義務教育用の教科書を発行している。
・教科書を学校に直接供給するのは教科書取扱書店。通常は一般の書店がこの業務を行なっている。全国に3267カ所ある。
・紙とデジタル教材を比べてみよう。紙プリントは採点に時間がかかるが、デジタルなら自動採点ができる。紙は筆順チェックができないが、デジタルは筆順を含めた正誤判定ができる。紙では個人の習熟度に合わせた学習が難しいが、デジタルは間違えた漢字だけを出題できる。(中略)
東京工業大学の清水康敬幹事は電子黒板のメリットを以下のように整理している。
1.手書きができること
2.コンピュータというイメージが少ないこと
3.表示の位置が操作の位置であること
4.消しても元の位置に戻れること
5.訂正できること
6.ランダムに表示できること
7.静止画像提示ができること
8.動画の提示ができること
9.生徒の視線を集めることができること(中略)
だからといって紙や黒板を否定することはない。
・樋渡市長と言えば、テレビドラマ『佐賀のがばいばあちゃん』のロケを誘致したり、「日本ツイッター学会」を立ち上げたりと破天荒なアイディアを実行する若手政治リーダーだが、教育でもリーダーシップを発揮する。
※参考:武雄市長 日本ツイッター学会長 樋渡啓祐さんのアカウント
※参考:日本ツイッター学会のアカウント
・要するに、クラウドとは、「インターネットを経由してソフトウェアを使う」ということだ。
・NIE(Newspaper in Education)という取り組みがある。学校などで新聞を教材にして勉強する学習のことだ。アメリカで1930年代にニューヨークタイムズが新聞教材としてハイスクールで利用することを考え、始めたもので、日本では1985年、静岡で開かれた新聞大会で提唱された。
・2008年の電子書籍の市場は464億円、対前年比31%増とされる。そのうち携帯電話が402億円、パソコンが62億円。ケータイが87%。圧倒的にケータイがリードする市場となっている。(中略)
しかも、その多くは女性が読むボーイス・ラブ系のものだという。書店で「コレください」と差し出すのはちょっと気が引けるタイプの作品がネットで買われていく。
・教育情報化の課題は何か。進めるためにはどうしたらよいか。大別すると、1.開発、2.普及、3.コスト負担となるだろう。
・「デジタル教科書・教材で実現する3つ目標」
全ての子どもに与えよう。
1.どこに住んでいても世界中の知識に触れる機会を。
2.創造力、表現力、コミュニケーション力を育む最高の環境を。
3.友人、先生、家族とつながる手段を。
・「デジタル教科書・教材の機材が備えるべき10の条件」
1.小学1年生が持ち運べるほど軽く、濡らしても、落としても壊れにくい。
2.タッチパネル。
3.8ポイントの文字がしっかり読めて。カラー動画と音楽が楽しめる。
4.無線でインターネットにアクセスできる。
5.学年別に全ての教科書が収まる。
6.作文、計算、お絵かき、動画制作、作曲・演奏ができる
7.学校でも家庭でも使える。
8.学校でも家庭でも手に入りやすい価格。
9.電池が長持ちする。
10.セミュリティ・プライバシー面で安心して使える。
・デジタル教科書教材協議会
陰山 英男 立命館大学教育開発推進機構教授
川原 正人 NPO 法人CANVAS 理事長、元日本放送協会会長
小宮山 宏 株式会社三菱総合研究所理事長 元東京大学総長
●書籍『デジタル教科書革命』より
中村 伊知哉 著
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