菅原 美千子 氏 書籍『「共感」で人を動かす話し方』より
このページは、書籍『「共感」で人を動かす話し方』(菅原 美千子 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、相手の行動や考え方を変えさせるためには、次の3つの要素が必要だと説きました。
①論理(ロゴス)
②感情(パトス)
③信頼(エトス)
論理とは、言葉で人の理性に訴える方法です。しかし、論理だけでは必ずしも人を説得できません。
・物語を通じて、物事を理解したり、教訓や知恵を学びとり、自分たちの行動に取り入れてきたのです。
・哲学者の野家啓一氏は、著書『物語の哲学』(岩波書店)で、物語の役割について次のように述べています。
「語る」の語源は、「象る(かたどる)」である。では何を象るのかと言われたら、「経験」である、と。つまり、自分の経験を言語化することによって、経験に「形」を与え、それを明確な輪郭を持った出来事として描き出し、他者の前に差し出すことができる。
・生き残る種というのは、最も強いものでもなければ、最も知的なものでもない。最も変化に適応できる種だけが生き残るのだ
チャールズ・ダーウィン
・人は「信頼」があって初めて「共感」する(中略)
信頼とはどこから生まれるのでしょうか。それには3つの要件を満たす必要があります。
①その人の話を信じられる
②言行一致
③一貫性がある
・語尾の強弱だけで、印象は180度変わる(中略)
1対多と1対1の発音の仕方
1対多 最初と最後を強く発音
1対1 語尾を柔らかく発音
・会話反射神経の鍛え方① ~引き出しにネタを増やす~(中略)
日頃から準備するネタとして収集するとよいジャンルは、次の6つに大別できると考えています。
①NEW (新しいこと) 相手がまだ知らない情報
②MERIT (メリット) 相手にとって得になる情報
③DEMERIT (デメリット) 相手が知っておいたほうがといリスク・注意点
④HUMOUR (ユーモア) 緊張緩和やその場の空気をよい方向に促すような笑い
⑤KNOWLEDGE (知識) 相手にとって、有益な知識(数字のデータも含む)
⑥STORY (ストーリー) 経験(個人の経験、自社、他社の事例を含む)
・ネガティブなメッセージは人ではなく、行動に焦点を当てる(中略)
「XYZ」と呼ばれる方法です。ポイントは、話の範囲を当面の問題点だけに絞り、人格の攻撃までエスカレートさせないことです。
具体的には、「あなたがXしたので、私はYな気持になった。Zしてくれればよかったのに」という流れで伝えるというものです。(中略)
「あなたって思いやりのない人ね。自分勝手で大馬鹿だわ」と言うのではなく、「あなたが夕食の時間に遅れるという電話をくれなかったので(=X)、私は大切に思われていない気がして腹が立った(=Y)。遅くなるなら、電話で知らせてくれればよかったのに(=Z)」と伝えるのです。
・否定ワードはすべてを台無しにする(中略)
「しかし」「でも」「いや」などの否定ワードをできるだけ使わないことです。これらの類の言葉は、どんなに親しげな態度であっても、表現を和らげようよしても、最終的に相手に伝わるのは「あなたは間違っている」というメッセージです。
●書籍『「共感」で人を動かす話し方』より
菅原 美千子 著
日本実業出版社 (2009年12月初版)
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