小林 弘幸 氏 書籍『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』より
このページは、書籍『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(小林 弘幸 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・自律神経は内臓や血管の機能をコントロールする神経で、交感神経が体を支配すると体はアクティブな状態になり、副交感神経が支配すると体はリラックスした状態になります。
・本書は、近い将来、医学と健康の常識になるであろう「自律神経のコントロール法」を医師が書いた最初の一般書になると自負しています。
・自律神経をコントールするポイントは、ひと言でいうと、「ゆっくり」です。「ゆっくり」を意識し、ゆっくり呼吸し、ゆっくり動き、ゆっくり生きる。
そうすると、下がり気味の副交感神経活動レベルが上がり、自律神経のバランスが整いはじめるのです。
・女性が男性よりも長生きするのはなぜだろう?(中略)
男性は三〇歳を過ぎた頃、女性はそれよりも一〇歳遅い四〇歳を過ぎた頃に、それぞれ「体力の急激な衰え」を感じるということです。
長いあいだ、「謎」とされてきた男女の寿命の差は、副交感神経の低下する時期の違いがつくり出したものであると、私は考えています。
・季節の変わり目に風邪をひく人が増えるのはなぜ?(中略)
秋から冬にかけて気温が下がっていくと、寒さを感じた体は体温を上げるために血流を増やそうとして、交換神経を優位にして血流を上げます。
実は、これが秋から冬へと季節が移り変わる頃に風邪やインフルエンザにかかる人が増える理由なのです。
多くの人は寒いから風邪をひくと思っていますが、それは違います。もし本当に寒いから風邪をひくなら、寒さが厳しい雪国のほうが風邪をひく人が多いはずですが、実際には北海道も九州も、風邪をひく人の数にそれほど違いはありません。問題は気温の低さではなく、気温の「変化」なのです。
・ジョギングよりウォーキングのほうが健康効果は断然高い(中略)
とくに中高年は、そもそも副交感神経のレベルが低下しているので、それをさらに下げるような運動は、健康維持効果があるどころか、かえって体を老化へと追いやる可能性があるのです。
・「背筋を伸ばしてゆっくりと歩く」というのが、自律神経のバランスを安定させる最高の歩き方なのです。(中略)「背筋を伸ばす」のがいいのは、「気道」が開くからです。気道が開くと呼吸をしたときに肺に入ってくる酸素の量が増えます。
・あせるとミスが増えるのは、この「せかせかした動き」は副交感神経を低下させ、自律神経のバランスを崩してしまうからなのです。
・体を大切にするというのは、体を休めるということではありません。体が本来持っている機能を充分に働かせることができる状態に整えるということです。休むことはその一つでしかありません。そういう意味では、動くことも休むことと同じような体の機能を充分に働かせるためには必要不可欠なことです。
・ゆっくりと動くと健康になる。
・便秘治療でなぜ、糖尿病や高脂血症、腎臓疾患や肝臓の数値がよくなるのか、みんな不思議がっていましたが、腸内環境と自律神経のバランスがよくなって、きれいな血液が体の隅々まで行き渡るのですから、私にいわせれば病気がよくなっていくのはあたりまえの結果でした。(中略)
私たちの体はすべてつながっているのです。ある一部分だけに問題が生じるということはありません。認識できるかたちで現われた病気は部分的なものでも、それはたまたまそこが弱くて最初に影響が現われたということにすぎません。
・たった三〇分、時間に余裕を持って行動するだけで、その日一日すべてがうまくいきます。いつも時間に追われているような行動をしていると、交感神経が上がった状態のまま、副交感神経が下がりっぱなしとなり、それが精神的健康のみならず、身体的健康さえも害していくのですから、決してあなどってはいけません。
・なぜ朝は能力が高いのか、その理由をひと言でいうと、自律神経のバランスがいいからです。
・早起きを活かせない場合、二つの要因が考えられます。
一つは早起きをするために睡眠時間を削った場合です。睡眠不足は自律神経のバランスを著しく狂わせます。(中略)
もう一つ考えられるのは、朝すべきことをあらかじめ決めていない場合です。実際、朝活に失敗している人の多くは、こちらのケースです。
・朝の貴重な能力を活用するコツは、たった二つです。
一つは、良質の睡眠を充分にとること。
もう一つは、前日の夜のうちに、翌朝すべきことを決めておくこと。
・ちなみに、万が一朝寝坊してしまったときは、どうやって自律神経を整えばいいのでしょうか。一つ、とっておきの方法をご紹介しておきましょう。
それは「歯みがきをゆっくりする」ことです。
・高齢者が脱水しやすい理由は二つあります。一つは血管の老化、もう一つは血液量の減少です。
・一日三回の食事がベストなのは「栄養が理由」ではない(中略)
腸というのはとてもおもしろい臓器で、刺激が加わると動くという性質を持っています。実際、手術のときに腸をポンと叩くとグーッと動き出します。
つまり、一日に一回しか食事をしないということは、一日に一回しか腸に刺激を与えないということなので、腸の動きが悪くなってしまう。だから、腸に刺激を与えるという意味で一日三回の食事をお勧めしているのです。
・朝食の目的は大きく三つあります。
まず一つは、副交感神経を上げること。
二つめは、血流が上げることです。私たちはものを食べると、吸収の過程で肝臓が働くので、肝臓に多くの血液が流れます。そして、その血液が全身にめぐることで全身の血流がよくなります。
そして三つめは、慌しい朝に「余裕」を生み出すということです。
・運動するなら、朝と夜、どっちがいいのか?(中略)
朝の時間帯は、一日のなかでも脳がもっとも冴えている時間帯です。その時間に無理に硬く動きにくくなっている体を動かすことに時間を費やすことは、時間の無駄といっても過言ではないでしょう。朝は体ではなく、頭を使うべき時間帯なのです。
・デスクワークの人が退社時に感じている肉体疲労はうっ血によるものなので、夜にウォーキング程度の軽い運動をすると、血流がよくなるのでかえって疲れがとれるのです。
・ラブレターは夜書くとうまくいかない(中略)
副交感神経が優位になる夜は、理性より情動が優先されやすくなるので、ついつい恥ずかしいことを書いてしまう危険性が高いのです。
・朝一番にメールチェックをする人がいますが、実はこれはとてももったいないことなのです。なぜなら、朝は副交感神経優位から交換神経優位に切り替わる時間帯だからです。(中略)脳がもっとも活性化する時間帯なのです。
こうした時間帯にもっとも適しているのは、物事を深く考えたり、発想力を必要する仕事をすることです。この貴重な時間を、脳をほとんど使わないメールチェックに使ってしまうので、あまりにもったいないことです。
朝が頭を使う仕事に適しているのとは逆に、夕方三時以降は、頭を使う仕事をしてもいい結果は出ません。なぜならその頃から体は徐々に交感神経が下がり、副交感神経優位になっていくからです。(中略)
こうした時間に適しているのは、あまり頭を使わなくてもできる機械的な作業です。ですからメールチェックなどはこういう時間帯にこそすべきことといえます。
・「顔の表情」と「話し方」を変えていくことで、心と体をコントールする術をつかみとった
・怒るとあなたも嫌な気持ちするでしょ。あそこで怒らないで我慢していれば、その場だけのことですんだのに。なまじ怒ってしまうから、まわりの人の不快にするし、あなた自身もそうやって嫌に気持ちになってしまうのよ
※妻から言われたこと
・自律神経のバランスを整える日記の活用法(中略)
書くことは次の三つだけだからです。
①その日いちばん失敗したこと
②その日いちばん感動したこと
③明日の目標
・人が失敗を犯しやすい条件として、「自信がないとき」「予期せぬことが起こったとき」「環境が悪いとき」「体調が悪いとき」という四つの状況を挙げます。そして、これらの根本に共通してあるのが「不安」の感情です。
●書籍『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』より
小林 弘幸 著
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