藤井 康男 氏 書籍『いい話を2時間もたせる本』より
このページは、書籍『いい話を2時間もたせる本』(藤井 康男 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・話術の基本は知識や学問ではない。なによりも、きく人を楽しませるサービス精神である。そういう心の動きが、人それぞれのさまざまにかわった、独特の話のテクニックをつくるのである。
・マンボウ(中略)
この一畳敷きもある大きな魚は、ひじょうにひ弱な性質をもっており、生まれた子どもがほとんど成魚になることがないために、なんと三億もの卵を産むということが知られている。その三億の中で成魚になるのはおそらく二、三匹という、激しい生存競争に耐えなければならない宿命を背負っているのである。
・中国の古い書に、「ほんとうにじょうぶで長生きしたいと思ったら、自分の住んでいる土地の近くの、いちばん高いところに登って四方を見渡し、その目にはいるものだけで生活しなさい。そうすれば、あなたは天から与えられた寿命をまっとうすることができる」といった教えが載っている。これを「身土不二」という。
・お茶の水を流れる神田川の源泉(井の頭あたりにある)がそれにあたり、文字通り幕府の茶の湯になった。
・情報には、“情”の部分と“報”の部分があって、それではじめて人間の役に立つからである。たとえば、きょうの円レートはいくらというのは、たんなる数字の“報”といえる。その数字の裏に、どのような経済の変化があり、これから先はどうなるかというような人間の主観である“情”があって、はじめて生きてくるのである。
・「ウチのオートバイのガソリン、全部燃えているのだろうか?」これは大変な着想である。馬力を増すということよりも、燃料が完全に消費されているかどうかに着目したわけである。
その結果、驚くべき発見をした。ほとんど燃えていると思っていたガソリンが二割から三割も不完全燃焼していたのだ。
・タミヤのプラモが精密な驚くべき理由(中略)
ホンダのオートバイのプラモデルなら、ホンダからオートバイを一台買ってきて、バラバラにし、それをもとにしてつくるといった具合なのだ。(中略)タミヤは、子どもがいじるからといって手は抜かない。
・ヨーロッパの食卓で話題にしてはならないタブーは、宗教の話、お金の話、イデオロギーの話、商売の話、そしてセックスの話の五つ
・お色気話を話すテクニックにうつる。まず、あまりにナマナマしい話は動物にすりかえると、いやらしさが抜けておもしろくなる。
・女性の立ちションは、私が子どもの頃は田舎でよくみかけたものだ。うまく後ろだけをまくり、前はみえないように器用にやっていた。
・“ゴマすり”の語源(中略)
口先だけで調子のいいことをいうと意味ではなく、実質的なサービスで相手の歓心を買うということだから、本来はけっして悪い意味ではない。
●書籍『いい話を2時間もたせる本』より
藤井 康男 著
ベストセラーズ (1985年6月初版)
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