書籍『Google+の衝撃』(山崎 秀夫 著, 小石 裕介 著, 村井 亮 著、ベストセラーズ刊)より
このページは、書籍『Google+の衝撃』(山崎 秀夫 著, 小石 裕介 著, 村井 亮 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・グーグルプラスの最大の特徴は、複雑な人間関係を簡単に表現できる「サークル」の仕組みです。フェイスブックもすぐに同様の仕組みを追加しましたが、グーグルプラスのサークルは、プロフィール写真を輪の中に放り込む感覚で知り合いや友達を分類することができます。
・グーグルの得意の情報の「検索サービス」は明らかに論理的・数学的思考法で動いています。一方、ソーシャルメディアの仕組みは社会構成主義と呼ばれる思考法に適したものとなっています。つぶやきや日記、ブログの内容判断は、書く人や読む人の価値観、立場によって異なるからです。そして、そこには感情の要素も色濃く入ります。
その結果、同じ広告売り上げと言っても、グーグルにとってソーシャルメディアは大の苦手な領域でした。
・フェイスブックの8億人の書き込みの多くは、グーグルの情報「検索サービス」の外の世界で起こっています。この流れに危機感を募らせたグーグルの秘密兵器が「グーグルプラス」であると考えられます。
・グーグルは理科系出身者により構成される数的処理を得意とする左脳集団であり、人の感情が絡むソーシャルメディアは理解できないという、、ある意味神話的な見方が台頭しました。
・友達関係といっても彼や彼女は「ネットの友達」なのか「学校時代の友人知人」なのか、「現在の職場の知り合い」なのか区別がつきません。グーグルプラスはそういったフェイスブックやツイッターのもつ弱点を見事に克服しています。
・グーグルの人間関係を表現する仕組みであるサークルでは、友達関係を一律同等とは見なさず、そこに差をつけることが可能です。たしかに学校以来の親友とネットでの知り合いは人生における関係性の重みが違います。
・社会心理学から見れば、「いいね」ボタンは、生活者のファンページに対する愛着を増すと考えられます。特定企業やサービス、投稿に対して「いいね」ボタンを押せば、相手に対しても投稿者自身に対しても「プラスの触れ合い」を送ったことになります。
・フェイスブックは2011年9月の開発者会議F8において「読んだ」ボタン、「聴いた」ボタン、「見た」ボタンの新たな3種類の「行動に関係するボタン」を導入すると発表しています。これは明らかに、知り合いに対して同調行動(同じ行動を促すこと)を起こすことが期待されていると考えられます。
・人間関係の表現の仕組みを論理的に研究し、グーグルプラスのサークルを企画したポール・アダムス氏は現在、なんとライバルのフェイスブックに在籍しています。
・ツイッターは異なる方向を志向(中略)
ツイッターはソーシャルメディアではなく情報(提供のための)ネットワークである(中略)ソーシャルメディアとしての人間関係の表現はフェイスブックやグーグルプラスにかなわない、任せる
・「サークル」です。(中略)ソーシャルメディアでは、情報を流す対象が友達というひとつのグループで構成されていました。これにより、家族にだけ送りたいプライベートな情報が、会社の同僚に流れてしまうということもなくなりました。
・2011年9月現在で、グーグルプラスには主に4つの仕組みがあります。
●+1ボタン
●サークル
●ストリーム
●ビデオチャット
・「+1」ボタン(中略)
フェイスブックの「いいね」ボタンと非常に似た機能ですが、最大の違いは、グーグル検索への影響です。(中略)
グーグルは自社の用意したメディアの「+1」をページランクの基準として最重要視してくることに間違えはありません。ページランク以上に、グーグルで検索した際の検索結果に友人がお勧めしたリンク情報が公開されるため、SEO(検索エンジン最適化)対策にも効果を発揮します。
・グーグルプラスでは、サークルという概念で情報の発信先を設定できます。例えば、家族、親友、友人、会社などに分けて特定のサークル(グループ)に対して情報を発信することができます。またサークルは、ストリーム上の情報のフィルターとしても活躍します。
・リンクトインは本来、欧米では経営層やエンニジアなどプロフェッショナル型人材の転職やビジネスパートナーの発見に活用されている
・ツイッターがソーシャルネットワークではなく情報ネットワークを目指す中、グーグルプラス、ツイッターと同等の仕組みであることが実証されました。また、その後ハッシュタグも採用されたため、多くの識者が、ニュースや事故、企業イベントなどでグーグルプラスはツイッターの代替サービスになりうるという認識を高めています。
・一般的に言って、授業中のおしゃべりが禁止なのは、古今東西常識です。しかし面白いことに、一部の米国の大学の実験によれば「バックチャンネル」を認めたケースでは、授業の理解度、出席率、試験での合格率が向上したのです。調査に関わった先生方は一瞬、我が目を疑いました。しかし、他大学でも同様の結果が出たため信憑性は明らかでした。(中略)
ツイッターを活用すれば、質問などを恥じかしがらずに行うことができるというわけです。その結果、学生の成績がよくなり、動機づけが向上し、見方が多様になったといった報告がなされています。
・フェイスブックにはポストパソコン時代におけるスマートフォンやタブレット端末への対応が弱く、ポストパソコン時代のクラウド戦略が明確ではない点が弱点だと見られています。
・リンクトイン(中略)
その特徴は転職先探しや求人、経営者候補探し、ビジネスパートナー探し、商談と幅が広いですが、リンクトインのサービスはすべてビジネスに特化しています。
・2011年8月のニールセンの調査によれば、すでにフェイスブックは国内のパソコン利用者だけでも1000万人を越えており(1082万7000人)、ツイッターの1496万2000人、ミクシィの1491万7000人に迫っています。これに早晩、グーグルプラスが加わります。
・ツイートはグーグルの情報「検索サービス」の蚊帳の外でした。そこでグーグルはツイッターと契約を締結し、ツイート投稿を有料で購入し、情報「検索サービス」上に反映しています。
・例えば、週末に映画を見に行く場合、フェイスブック内の検索やマイクロソフトの検索を活用すれば、友達が見たお勧めの映画(友達が「いいね」ボタンを押した映画など)が提示されます。(中略)
こういった検索はソーシャルサーチ(検索)と呼ばれていますが、グーグルにとってがこれが弱点でした。それをグーグルプラスが補足する可能性が高まっています。
・インターネットの社会定着の3本柱はグーグルのシュミット会長が述べているように「ソーシャル」「モバイル」「ローカル」だと言われています。
●書籍『Google+の衝撃』より
山崎 秀夫 著
小石 裕介 著
村井 亮 著
ベストセラーズ (2011年11月初版)
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