守屋 淳 氏 書籍『孫子とビジネス戦略』より
このページは、書籍『孫子とビジネス戦略』(守屋 淳 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・『孫子』は今から約2500年もの昔に中国の孫武にとって記され、以後、中国や日本の歴史的名将たちや、ナポレオン、毛沢東、ホーチミン、シュワルツコフ、さらにはビル・ゲイツ、孫正義、といった経営者たちにまで幅広く活用され続けている。
・『孫子』の理論体系とは、たった二つの基軸からそのほとんどを導き出すことが可能となる。それは------
①失敗した時にやり直しができるか否か------試行錯誤できる度合い
②想定するライバルの数
・『孫子』は一旦物事が始まってから、致命傷となる失敗を避けるために三つのポイントを指摘している。それは、
①ライバルと自分の実像を事前に把握すること
彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず(敵を知り、己を知るならば、絶対に敗れる気づかいはない)
②勝てる算段がなければ戦わないこと
勝算なきは戦わず(勝算がなければ戦わない)
③戦いをどろ沼化させないこと
兵は拙速(せっそく)を聞く(短期決戦こそ国益にかなう)
・「損切り」や「短期決戦」の手法とは、試行錯誤できる余裕を残しておくためのノウハウと考えてよいかもしれない。どろ沼に陥って、復活ができなくなる前に、すっと引いてしまう技なのだ。
・百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり(百回戦って百回勝ったとしても、最善の策とは言えない。戦わないで敵を降伏させることこそが、最善の策なのである)
・短期決戦に持ち込むためのノウハウ(中略)
1.こちらを弱いと錯覚させたり、敵に自分は強いと錯覚させ、油断させる(中略)
2.こちらの意図を見誤らせる(中略)
3.主導権を握って、相手を引きずりまわす
・人の気力は、朝は旺盛であるが、昼になるとだれ、夕方には休息を求めるものだ(朝の気は鋭、昼の気は惰、暮の気は帰)
・戦上手は、敵の士気が旺盛なうちは戦いを避け、士気の衰えた所を撃つ(善く兵を用いる者は、その鋭気を避けて惰気を撃つ)
・企業家として成功した人たちは、1つだけ共通の性格をもっていたように思う。それは皆、わざとリスクを犯す人ではなかったということである。皆リスクを計算し、それを最小のものにするために一生懸命だった。
ドラッカー
・あなたの会社がその他大勢から引き離す最善の方法は、情報に関してずば抜けた仕事をすることだ。「情報をいかに収集、管理、活用するか------あなたが勝つか負けるかはそれで決まる」
・3Mのモットーの一つが、「小さいことは良いことだ」になる。組織はとにかく小さく保つことを理想としているのだ。(中略)小さくスタートさせて、成長したところでまだ分割させる
・過ちて改めざる、これを過ちという(過ちに気づいても改めない、それが本当の過ちだ)
・「仁」の解釈(中略)
次の三つに大きくまとめることができる。
●利他的、全体のことを考える
●愛、行き行きとした人間性
●物事を健やかに育む、先に苦労して後で成果を得ること
著者紹介
守屋 淳 もりやあつし
1956年、東京都生まれ。(中略)Web上では[本]のメルマガ、[書評]のメルマガを創刊、編集同人を務めている。
●書籍『孫子とビジネス戦略~成功し続けるリーダー、企業は何を考えているのか』より
守屋 淳 著
東洋経済新報社 (2004年5月初版)
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