鈴木 徹造 氏 書籍『出版界365日小事典』より
このページは、書籍『出版界365日小事典』(鈴木 徹造 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・1月1日
医業を捨て書店開業
*早矢仕有的が丸善創業
明治2年(中略)
はじめた書店を「丸屋商社」と名付けた。世界を相手にして商売をする気構えから地球の球をとって球屋(マルヤ)とつけたらしいが、人々がいろいろな読み方をするので、読みやすく丸屋に変えたという。
・1月8日
二者間で改善協議を
*返品現象対策マニュアル
昭和57年
返品減少運動の歴史は古い。昭和三十六年に出版・取次・小売の有志によって一つの試案が出されているが、以来、いろいろの問題定義がされた。昭和五十六年秋、日本書籍出版協会と日本書店組合連合会(日書連)によって「出版社・取次会社のための書籍返品減少対策マニュアル」がまとまり、五十七年一月八日、日本書籍出版社協会は正式に会員に配布した。
・1月27日
納本制度のはじまり
*出版取締りの最初
明治2年
その国のあらゆる新刊図書を、その国の特定の機関に納めさせることを法的に規定したのが納本制度である。わが国では取締りのため、徳川時代にも行われたことがあるが、近代的な法規としての体裁を整えたのは明治二年一月二十七日、行政間布告第八一号「図書開板願並納本之件」が公布
・2月6日
出版社系週刊誌の出現
*『週刊新潮』四十万部でスタート
昭和31年
『サンデー毎日』『週刊朝日』にはじまった日本の週刊誌は長い間、新聞社系に独占されていたが、昭和三十一年二月六日に創刊された『週刊新潮』の出現は、出版業界発展の大きなステップとなった。
・3月7日
出版物のコピー年間三四九億円分
*複写の実態ほぼ明らかに(中略)
この調査は「企業、大学等における出版物からの複写実態調査概要報告書」として、昭和六十三年三月七日公表された。上場企業、大学、学術研究機関及び情報提供サービス業を対象に、その中から二七〇〇標本を抽出して調査を行ったもの
・3月14日
出版を学問的に究明
*日本出版学会創立
昭和44年
・4月2日
初の週刊誌誕生
*『週刊朝日』『サンデー毎日』創刊
大正11年
わが国の週刊誌は、『週刊朝日』『サンデー毎日』が最初で、ともに大正十一年四月二日に創刊、発売された。(中略)
二大新聞社の競争激化から、期せずして同日に二つの週刊誌が誕生したわけである。いずれもタブロイド、定価十銭。
・5月5日
現代出版流通の原点
*日本出版配給株式会社設立
昭和16年
昭和十六年五月五日、出版物の一元配給機関として、日本出版配給株式会社(日配)が設立され、戦時体制化、出版新体制に基づいて、四大取次、全国二四二に及ぶ取次業者が強制的に解散、統合させられた。
・6月10日
大学出版部の始まり
*大学出版部協会誕生
昭和38年
いわゆるUniversity Pressと呼ばれるのは、一五八六年、イギリスのオックスフォード大学にはじめて印刷所が設けられ、書籍などの印刷をしたことに由来するといわれる。わが国では明治二年、福沢諭吉が慶応義塾出版局を創設したのが最初
・6月27日
文春 vs JR東日本
*文春の謝罪で収束
平成6年
『週刊文春』がJR東日本のキヨスクで平成六年六月二十三日号の「JR東日本に巣くう妖怪」の記事に、JR側が「事実無根」として、キヨスクに指示して同誌との販売契約を解除、販売拒否にふみきったもの。
・7月11日
四大取次時代へ
*至誠堂から大東館へ(中略)
大正14年(中略)
取次業界は東京堂・東海堂・北隆館・大東館の四大取次時代となり、昭和十六年の出版新体制による日配統合まで続いた。
・12月22日
印税のはじまり
*明治十九年、一部拾銭(中略)
印税制度は一体、いつから始まったのか。わが国では、小宮山圭介(天香)がフランスのエルクマン・シャリアン著『マダム・テレーズ』を翻訳し、『慨世史談・断蓬奇縁』と題して鳳文館で出版する時、明治十九年十二月二十二日付で館主・前田円との契約したのが最初といわれている。
●書籍『出版界365日小事典~明治から平成まで』より
鈴木 徹造 著
日本エディタースクール出版部 (1996年2月初版)
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