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元木 昌彦 氏 書籍『日本の大事な話』より

このページは、書籍『日本の大事な話』(元木 昌彦 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


●岡野雅行(岡野工業株式会社・代表社員)(中略)

・昔からお金は絶対に追いかけない。多くの人は儲かるものを見つけたら、ずっとそれでやっていこうとする。時代が変わることを考えないで、お金を追いかけているからダメなんだ。


・遊郭のおねえさんに、「何かをしてもらったら四回はお礼を言いなさい」と教えられた。食事をおごってもらったら、まず食べ終わった後に一回、次の日に「昨日はごちそうさま」、次の週には「先週はごちそうさまでした」、で、次の月になったら「先月はごちそうさま」と。


・痛くない注射針(中略)

元木:頼まれたとき、これはできると思った?

岡野:僕はいつも、だいたい六〇%の可能性があって、あとの四〇%は努力すればできるっていうんだと仕事を受ける。不可能だと思ったらやらない。


・元木:考えるときはトイレに入るんですってね。そこは、すごく広くて寝たりできるそうですが。(中略)

岡野:テレビからインターホンから電話から・・・・・・。僕は香料が好きだから、すべての香水がズラーッと置いてある。本も並べている。床暖房にしてあるんで、本を読んでいると昼寝しちゃうときもあるね。


●今井彰(NHKチーフプロデューサー)(中略)

NHK「プロジェクトX」は、一般人の事実の積み重ねが強み


・番組が始まってから、宣伝だと言われたことはないですね。理由の一つは社会性を感じるからじゃないかと思います。(中略)それにもう一つは、一企業の話ではなくて企業の中で苦しみ、戦ってきているサラリーマンたちの話ですから、A社とかB社でやった場合に、その人の重さっていうのはわかりません。


●小泉武夫(東京農大教授)(中略)

・小泉:平均寿命は沖縄が第一位だと思っている人が多いようですが、現在沖縄は二十七位です。女性だけの平均寿命を見ると今でも第一位なんですが、男性の死亡率が高くなっている。

元木:何が原因なんですか?

小泉:肉の食べ過ぎだといわれています。沖縄は戦後、肉がアメリカ本土と同じ値段で食べられた。


・僕はよく「食育」と言いますが、食べる前に農があり、土があるということをまず教えなきゃいけない。そこから食を通じて礼儀作法を教えていく。


・朝まったくご飯を食べない子が東京には一一%もいる。食べている子に日本食かパン食かを聞いて成績を比べると、和食を食べている子供たちのほうが成績がいいのです。そして、すっごく忍耐強くて従順。


●松田哲夫(パブリッシングリンク社長)(中略)

本が売れなくなると何が起こるかというと、出版社は本をたくさん作るんです。とにかく本を作って取次に渡すと、何がしかのお金になる。だから資金繰りが苦しい会社はどんどん本を作るわけです。そういう作り方をしていけば弱い商品がどんどん増えていきますから、当然返品が多くなる。それを消しこむためにまた本を作るという自転車操業が止まらない。一方、書店のほうが経営が苦しくなってくると返品をどんどんつくります。


・図書館で本を借りて、読んで面白かったから本を買うようになった人も結構いる。そういう形で、デジタルが紙のパワーが弱くなってきた分を補完する力になりうるのではないか。


●工藤恭孝(ジュンク堂書店社長)(中略)

・元木:警備も含めて、万引対策費用はどれくらいかかるんですか?

工藤:(中略)二十四ある店舗で、警備員が六〇人くらいいます。それに人件費の三十万円くらい掛けていただいたら、毎月どれくらかかっているか、おわかりでしょう。それに、お客さんにわからないようなドーム型のカメラだとか、通過するとピッとなる警報装置だとか、警備員の費用だとか、捕まえたとき半日がかりで調書を取る費用だとか、そういう費用をわんさかかけても、決算には必ず一%強のロスが出ています。具体的には、三億円以上の被害が出ているのです。


●書籍『日本の大事な話』より
元木 昌彦 著
ロコモーションパブリッシング (2005年11月初版)
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