中川 勇樹 氏 書籍『テレビ局の裏側』より
このページは、書籍『テレビ局の裏側』(中川 勇樹 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・ワイドショーのスタッフシフト(中略)
曜日のシフトが、次のように組まれている。
月曜 局の社員スタッフ
火曜 局系列の制作会社Aが統括するスタッフ
水曜 大手制作会社Bが統括するスタッフ
木曜 中規模の制作会社Cが統括するスタッフ
金曜 中規模の制作会社Dが統括するスタッフ
統括する、と書いたのは、担当制作会社は自社社員だけでなく、派遣やフリーランスなども含めてスタッフ編成を行うからだ。この方式だとテレビ局は大勢のスタッフを直接管理する必要がなく、かつ制作会社同士で内容を競わせることで、視聴率向上を期待することができる。
このほかには、局が大手の制作会社1社に発注し、その会社の依頼で数社の小規模制作会社がスタッフ派遣や孫請けという形で参加するケースもある。
・他の番組と差別化するために重要なのが、独自の「特集コーナー」である。その企画は、あるテーマに目をつけたディレクターや放送作家、プロデューサーが提案して始まることが多い。出演者や外部の制作会社から持ち込まれるケースもある。
・大学教授としても活躍する秋元康氏は、放送作家の後輩や弟子に「車だけは無理してでもいいのに乗れ」と言うそうだ。そのココロは高級車に乗っていることで、プロデューサーやディクレターなどのスタッフが、その放送作家を稼いでいる人、つまり能力があって売れている人だと思うからだいう。
・女子アナの世界には、「30歳定年」とう言葉がある。若い頃から大きな仕事を任させるチャンスが多いが、文字通り30歳手前から仕事が少なくなり、若手に仕事を奪われていくことを指す言葉だ。(中略)テレビ局は終身雇用制だが、定年まで女子アナとして勤めたという例は聞いたことがない。
・日本で初めて視聴率調査を行ったのはNHKさんだった。放送を開始した1953年にどの番組を見たか、見なかったか聞き取り調査したのがその始まりと言われている。放送開始時にNHKと受信契約を結んでいたのは866件。
●書籍『テレビ局の裏側』より
中川 勇樹 著
新潮社 (2009年12月初版)
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