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京井 良彦 氏 書籍『ロングエンゲージメント』より

このページは、書籍『ロングエンゲージメント』(京井 良彦 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「情報」は、届けられるものから、それぞれが価値観に合わせて選ぶものになったのです。


・「ロングエンゲージメント」とは、長くて深い関係性の構築をイメージした、僕の完璧な造語です。「いつまでも結婚できない婚約関係」という意味で使っているわけではありませんので、念のため。


・「旬なタレントを起用」して、「テレビスポットは5000GRPを投下」して、「新聞広告は全国紙5紙に全面広告を出稿」する。派手で大掛かりなキャンペーンを打つことこそ、勝利の方程式でした。(中略)


アテンションを優先するだけの広告では太刀打ちできません。僕は今後、人の意識変容や行動は、アテンションではなく、共感によって始まるようになると考えています。


・リップ・K・ディックです。この作家は未来社会における人間コミュニケーションに深い洞察があり、「CM地獄」とう短編も書いています


・インターネットのソーシャル化には、2つの流れがあります。ひとつは、「協働型」と言われるものです。これは、文書やスケジュールなどの情報をオンライン上で共有するという考え方から発達したもので、グループ作業の効率化を目的として、その手段としてソーシャル化していくという流れです。(中略)


もうひとつは、「表現型」と言われるものです。昨今のソーシャルメディアの浸透に直接つながっているのは、こちらの流れでしょう。


・おおよそ次のような条件を満たしているものが、ソーシャルメディアと定義されているようです。

①生活者自身がコンテンツを作成したり編集したりして自由に発信することができるもの。

②生活者同士がお互いにコメントし合ったり、評価し合ったりできるもの。


・Facebookは、「人物相関」という人間の価値観によってインターネット世界を再整理していこうとしています。そしてそれは、インターネット世界と現実世界の境をなくしていく方向に向かっているということにほかなりません。


・情報は「共感」で選ばれるようになる(中略)たとえば、単純にグーグルで検索すると、自分にとって本当に有益な情報は7000ページ目に出てくるかもしれません。その情報に辿り着くのは困難です。しかしソーシャルメディア上で行き交う情報は、そもそも共感が持てる有益なものである可能性が高いのです。


・「共感」をもたらす3つの要素(中略)

「コンセプト(全体像)」、「ストーリー(物語)」、「デザイン」の3つです。これらをきっかけとして、受け手はその情報に共感を持ち、他人事と思って見過ごしていたメッセージを自分事として受け入れたり


・『ハイ・コンセプト~「新しいこと」を考え出す人の時代』(三笠書房)には、これからの時代の人間に必要な資質が説かれています。同書は、これからの生活者の意識がどこに向かっていて、どのような事柄に共感を覚えるのかを検証する際、大きな参考になります。


・人間の脳は、ストーリーを聞いたり語ったりすることで、情報やデータをより深く理解するようにできているのです。(中略)商品やサービスの機能や価格や品質の差は、生活者にとって微差になってきています。その微差であるスペックを、情報やデータを並び立てて説明しようとしても、なかなか共感を獲得するのは難しいのでしょう。


・よくできたデザインは、あまりにもうまくできているために、生活者や利用者に意識されることがないと言われます。標識は、まさしくその良例でしょう。メッセージがスッと頭に入ってくるため、フォントや色などを、あまり意識することはありません。


・従来のマーケティングは「いかに伝え」、「いかに理解してもらい」、「いかに買ってもらうか」という企業本位の発想で、広告の大量出稿によるアテンション獲得にこだわってきました。これに対し、エンゲージメント・マーケティングは、「いかに商品やブランドに愛着を持ってもらうか」という生活者本位の発想


・ロングエンゲージメント・コミュニケーションに必要な3つの要素(中略)

①Philosophy (フィロソフィー) : 企業哲学の共有
②Participation (パティシペイション) : 生活者の参加
③Dialog (ダイアログ) : 生活者との対話


・ロングエンゲージメント・コミュニケーションとは、企業と生活者が「企業哲学を共有」し、お互いが人格を持ったパートナーとして認め合い、よい関係を保ちながら長く付き合っていくためのコミュニケーション活動と言えるでしょう。


・サウスウエスト航空は、「顧客第二主義、従業員第一主義」なるものを社の精神として掲げています。社員の満足を第一にしたのは、彼らのモチベーションを高めることが、最終的にそれぞれの社員と接点を持つことになる顧客の満足につながるという考え方からです。


・広告は、生活者にハピネスを与え、より良い社会に貢献するべきもの


●書籍『ロングエンゲージメント~なぜあの人は同じ会社のものばかり買い続けるのか』より
京井 良彦 著
あさ出版 (2010年12月初版)
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