榎本 博明 氏　書籍『自己開示の心理学的研究』より

このページは、書籍『自己開示の心理学的研究』（榎本 博明 著）から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。

・自己開示とは、自分の性格や身体的特徴、考えていること、感じていること、経験や境遇など、自己の性質や状態をあわらす事柄を他者に話すことである。

・男子では、物質的自己の開示度が最も高く、精神的自己の知的側面および志向的側面の開示度も高い。反対に、身体的自己の外見的側面、血縁的自己、実存的自己の開示度が低い。

女子では、社会的自己の私的側面の開示度がとび抜けて高く、物質的自己、精神的自己の情緒的側面、身体的自己の外見的側面の開示度も高い。開示度が低いのは、実存的自己および血縁的自己である。

・どのような時に自分の思いを誰かに話したいか（中略）

次の５つのパターンに分類できることがわかった。

(１)　新たな洞察を得るための自己開示　（中略）
(２)　心の中に充満した情動を解放するための自己開示　（中略）
(３)　孤独感から救われるための自己開示（中略）
(４)　相手に自分を理解してもらうための自己開示　（中略）
(５)　自分の中の不安を消し去るための自己開示

・自己開示の意義に関しても、次の５つがあるとした方がよいであろう。

(１)　自己への洞察を深める。
(２)　胸の中に充満した情動を解放する。
(３)　孤独感をやわらげる。
(４)　自分をより深く理解してもらう。
(５)　不安を低減する。

・話したいと思ってもなかなか話す相手のいない話題　(N＝１５５)

恋愛や異性に関すること　　　　２９
生き方や将来に関すること　　２６
自分のほんとうの性格や欠点に関すること　　　１８
友人関係に関すること　　　　　１５
過去の重大な失敗やいやな出来事　　８　（中略）

これをみると明らかなように、大学生(１年生中心)

・男性は自分の弱さを隠そうとし、女性は自分の強さを隠そうとする傾向があるが、それが異性関係において特に顕著となり、異性の友人関係においては男性の３１％が自分の弱さを隠そうとし、女性の３３％が自分の強さを隠そうとする

●書籍『自己開示の心理学的研究』より
榎本 博明 著
北大路書房 (1997年6月初版)
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