木山 泰嗣 氏 書籍『弁護士が書いた究極の文章術』より
このページは、書籍『弁護士が書いた究極の文章術』(木山 泰嗣 著、法学書院 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・読み手は、あなたが書いた「接続詞」や「論理の流れ」をみて、次にくる文章を予測しながら読んでいます(意識しなくてもです)。(中略)この読み手の予測どおりに文章を書くこと。それがわかりやすい文章の基本なのです。
「なぜなら・・・・・・」とあるのに、理由が書いてなかったらガクッときます・
「しかし・・・・・・」とあったのに、逆の内容にならないと「あれ?」となります。
・重要なことは、ひとつの文章で同じキーワードを繰り返し使うことです。(中略)キーワードは固定して、繰りかえす。そのことがあなたの文章をわかりやすくし、記憶に残りやすくしてくれます。
・倉島保美さんが書かれた『書く技術・伝える技術』という本があります。(中略)ライティング・テクニックの本として非常に優れています。
・文章を書くということは、読み手にサービスをすることです。できるだけ読み手に負担をかけないように、読みやすい文章を書くのです。(中略)しつこいと思われるくらい繰り返しましょう。大事なことは繰り返す。大事なことは繰り返す。
・一文を短くする「コツを知りたい」と思ったあなた。本書の読者限定で、具体的にその方法を公開します。
●基本的にすべての文が一行で終わるように意識する。
●一行で終わらない文章は修正する方針をとる。
●一行で終わらないときは、削りに削る。
●複文はすべて単文にする。
●主語を省略しても意味が通じるときは、主語を省略する。
●それでも一行を超えるときは体言止めにする。
●伝えたい意味が伝わればいいので、同じ意味で別の表現を探す。
●伝わる意味が変わらないのであれば、余計な言葉はすべて削除する。
●その他あらゆる努力と工夫をこらして、一文を一行で終わらせる。
・メリハリをつける(中略)
その文章でなにを伝えたいのか?たくさんあるにしても、強いてひとつに絞ればなにか?一番いいたいことは、なんなのか?書き手はそのことを明確に意識している必要があります。
・たくさん調べた人ほど、書きたいことが条件の文字数の中に収まり切らなくなります。そこで情報の取捨選択をしなければならなくなります。五つの六つもある話から二つか三つの話に絞らなければなりません。その取捨選択は、話の重要度、情報価値の優先順位で決まります。
・限定の威力(中略)
忙しいビジネスマンにとって、長い文章は読んでいられないのです。短い文章しか読んでいるヒマはないのです。そして時間がないため、要点を知りたいのです。こうした読み手のニーズを知ることです。短い時間で要点を知りたい。大事なことなので、もう一度いいます。短い時間で要点を知りたい。
・ひらがなと漢字のバランスを意識する(中略)
たとえば、「更に」と「さらに」の使い分け。わかりますか?(中略)
「さらに」は、副詞の場合は漢字を用いて「更に」と書き、接続詞の場合は「さらに」と平仮名で書く(中略)
たとえば「雨が更に激しく振ってきた。」では「更に」。
「雷が鳴った。さらに、雨が激しく振ってきた。」では「さらに」。
このように表記を使い分けています。
・「時」か「とき」かの区別
「とき」は、時代・時期・好機・時間などの意味を表す場合は漢字を用いて「時」と書き、「場合」という語と同じような意味を表す場合は、「とき」と平仮名で書く。
・「事実」と「意見」を区別すること。これができていると、よく整理された文書だと思われます。わかりやすい文書だと評価されます。
・書く側に立つと、あれこれもと情報をつめこみたくなります。「わたしはこんなことも勉強していますよ。知っていますよ」ということをアピールしたくなります。「こんなにたくさんのことを知っているんですよ」ということを、ぜひとも伝えたくなります。(中略)
しかし、読み手の立場からは違います。忙しいなかで、読まなければいけない文書のひとつとして、眺めるだけです。
・「手続き」と「手続」。(中略)どちらが正しいと思いますか?(中略)
「手続き」と「き」で送るのは、「『公用文における漢字使用等について』の具体的方針」に反するもので、「手続」と書くのが適切である。
「手続き」がよく用いられるのは、やはり新聞・放送など報道関係の影響かと思われるが、新聞には新聞用語としての使い方があるので、間違いではないとしても、公用文ではそれを用いることのないよう注意したい。
公用文の世界では、「手続」が正しいのです。
・「語感」について鋭い研究と分析をした本があります。黒川伊保子さんの『ことばに感じる女たち』という本です。黒川さんは、年代別にどのような「語感」が好まれるか、性別にわけて明快に分析しています。
・接続詞のパターンを使う(中略)
伝統的なパターンのひとつに次のものがあります。
「確かに」「しかし」「したがって」というパターンです。いきなり自説を述べるのではなく、反対説にも挨拶をする。
「確かに、Bという考え方もある。」と反対説を紹介します。
「しかし」ということで、反対説の不都合な部分を指摘するのです。
・接続詞のパターンとしては、ほかにもあります。
たとえば、「まず」「次に」「さらに」「最後に」というパターン。この接続詞のパターンは、物事を順序立てて書く場合に有効です。
・論理的な文章を書くポイント「必ず理由を書く」ことです。(中略)
「○○と考える」と書いたら必ず理由を書くのです。(中略)「わたしは○○と考える。なぜならば~」
・「わたしは『である調』しか書かない主義だ」というのでは困ります。その雑誌の読者層があり、そこで求められる文体はさまざまだからです。
●書籍『弁護士が書いた究極の文章術~誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28』より
木山 泰嗣 (きやま ひろつぐ) 著
法学書院 (2009年3月初版)
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