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喜多川 泰 氏 書籍『母さんのコロッケ』より

このページは、書籍『母さんのコロッケ』(喜多川 泰 著、大和書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「振り子?」

「そう、今までだったそうだったでしょ。つらいことがあったときには、絶対にいいことがある。振り子と同じ。今回はつらい方に振れたんだかから、その反動できっといいことがたくさんあるよ」


・私はね、今まで生きてこられたのは、兄弟姉妹がいたからなの。兄さんや姉ちゃんが育ててくれたの。私はそのことに本当に感謝しているわ。


・そこにいる人たちが大事にしないものを、他の人が大事にしたりはしないものだよ。

試しに、今、二人で消しゴムを交換してごらん。

人によっては丸くなって、黒くなって、鉛筆で穴を開けたりして、消しゴムを大事にしていない人がいるだろ。そういう消しゴムをとなりの人から借りた人は、それを使うときに『きれいに使わなきゃ』なんて気を遣ったりしないものさ。(中略)


少なくとも自分が大切にしていなければ、相手が大切にしてくれることはない(中略)


君たちが住んでいるこの国もそうだね。僕たちが大切にしなければ、誰からも大切にされない国になっちゃうかもしれない


・僕たちが今、生きているのは本当に奇跡的なことだということを知ってほしいんだ。君たちにはそれぞれ二人の親がいる。お父さんとお母さんだ。その二人の親が世の中に生まれるためには四人のおじいちゃんおばあちゃんが必要だ。そうやって数えていくと十代前の先祖は何人必要になるかわかるかい?(中略)


一〇二四人必要ということになる。(中略)この計算で行くと三〇代前だとご先祖さまは十億人を超えるんだ。(中略)今のこの時代に生きる僕たちはみんなきっとどこかでつながっている家族の一員なんだということがわかる。


・すべての子供は、大人に自分の使命に気づかせるという使命を持っている(中略)


わしらが初めから強かったように見えたかい?わしらがつよくなれたのは子供たちがそこにいたからじゃ。わしも初めは弱かった。怖かった。どうしていいかわからなくなった。でも、わしに人生の目的を教えてくれたのは、幼くして亡くなった子供たちだった。


・君の存在がなければ、公徳も千鶴子さんも自分がこの世に存在する意味に気づくことができなかった。それを伝えるために君は生まれた。この時代を選んでね。


・世の中には、子供は大人に自分の使命に気づかせるために生まれてくるということを知らない大人も多い。子供は大人が立派に育ててあげなければならないと思っているんだ。ところが、本当は反対だ。大人は子供からたくさんのことを学び、育ててもらっている


・人は自分のためよりも、自分の大切な人のために行動するときこそ、自分でも思ってみなかった力が出る。


・新しい命は、お前に何かを教えてくれるために、お前を親として選んで生まれてきてくれる。つまり、お前にはまだ自分が気づいていない自分の使命があるということじゃ。その新しい命と出会わなければ気づくことができない使命がな。


・君がどう生きたのかという記憶が子供たちの生きる力を育てるのだよ。残してあげる財や肩書きが子供たちを守ってくれるわけではないぞ


・思い切って生きろ。心配いらん。お前は思いきって生きるために生まれてきたんじゃ。自分のやりたいことをやったら人からどう思われるかなんぞに縛られず、自分の感情に正直に、自由に生きろ。あっという間の人生じゃ。今という瞬間だけを見つめて、自分をぶつければそれでいい


・キュウリの種をまいて、トマトができるなんてことはないように、不満の種をまいたら満足が、不安の種をまき続けたら希望ができるなんてことはありません。将来を素晴らしいものにするためには、不確定の未来に対して、僕たちが勇気を持って一歩を踏み出し、次の世代に本当に残してあげたいものの種を、つまり「希望の種」をまき続けていくことが大切です。


●書籍『母さんのコロッケ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語』より
喜多川 泰 著
大和書房 (2011年9月初版)
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