芦永 奈雄 氏 書籍『コミュニケーション力を高める文章の技術』(フォレスト出版 刊)より
このページは、書籍『コミュニケーション力を高める文章の技術』(芦永 奈雄 著、フォレスト出版 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・文章は基本的に伝わらないものだと思ってください。下手だからではなく、うまくないから伝わらないということ。
・「気持ち」は書かない方が伝わるのです。例を挙げましょう。
【例文1】
部長は一時間、説教した後、定時にさっさと帰って行った。終電ギリギリまで残業したぼくは、無性に腹が立った。
【例文2】
部長は一時間、説教した後、定時にさっさと帰って行った。終電ギリギリまで残業したぼくは、帰りに、思いっきり部長の机を蹴飛ばして帰った。
・なぜ、伝えたい思いが伝わらないのか?(中略)
三時間以上も自分の思いだけを語られて、聴く側にとっては、申し訳ないけど、苦痛に感じる話と同じ。独りよがりだいうこと。(中略)
「伝えたい思い」がある。どうしてもこれを伝えたいんだ。はたして、相手はそれを聞きたがるでしょうか?
・「気持ち」を伝えるのは、「気持ち」を書かないこと。(中略)文章で気持ちを伝えるには、目先の文章に「気持ち」を書こうとしてはいけない。先(読み手の立場)を見る必要がある。
・「この前、雪山で遭難しかかって、死ぬかと思ったよ」
「この前、雪山で遭難しかかったよ」
あなたの感情が強く動かされるのは、「雪山で遭難しかかった」という事実であって、本人の「死ぬかと思った」という気持ちの方ではなかった。そうではありませんか?
・「気持ち」ではなく、「事実」を書く!(中略)
【例文1】
ものすごくよかったですよ。これはいけますよ、絶対。
【例文2】
みんなわたしの話を食い入るように聴いていました。発表の途中なのに、次々に質問されて、「これはすごいね」とか「いけるんじゃない」とか、取引先の人同士で言い合って、途中から、取引先の担当の人が上司まで呼んできて、名刺交換してきました。(中略)
例文1は、「判断」を書いています。
例文2は、「事実」を書いています。
・事実をメインに書いている。いくら実があっても、あなたが感想や気持ち、判断や解釈ばかり書くと、読み手の心に届かないということ。
・ストーリー作文には、三大ポイントがあります。(中略)
①起こった出来事を順に書く!(中略)
②結果は最後に書く!(中略)
③「気持ち」を書くのではなく、「事実」を書く!
・音にすれば一種類ですが、書くと、「たまご」「タマゴ」「卵」「玉子」などと違います。「たまご」と書くと、私の場合、まるっこい、かわいらしい印象を受ける(中略)
「タマゴ」と書くと、食事のメニューで出てくる生タマゴかゆでタマゴを思い浮かべ、「卵」と書くと、生物学的なもの、「卵を産み落とす」とか「産卵」とかそういう印象を受けるし、「玉子」と書くと、スーパーに並んでいる(料理になる前の)食材を思い浮かべます。
・起承転結(中略)
まず、「なにかが起きる(起)」、「発展する(承)」、「意外な方へ展開する(転)」、「ラストへと結ぶ(結)」。
・【ストーリー作文向け】
《現在》+《過去》+《現在》
サンドイッチ型の構成です。よく映画などにもあります。たとえば、映画なら「タイタニック」や「オウライベートライアン」「グルーンマイル」など(中略)
読み手を文章世界に引き込みやすい組み立てとしては、「現在+過去+現在」の「サンドイッチ型」の構成です。映画にも頻繁に使われますね。
●書籍『コミュニケーション力を高める文章の技術』より
芦永 奈雄 著
フォレスト出版 (2010年5月初版)
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