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ニール・マーティン 氏 書籍『「習慣で買う」のつくり方』(海と月社 刊)より

このページは、書籍『「習慣で買う」のつくり方』(ニール・マーティン 著、花塚 恵 翻訳、海と月社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・人間の行動の九五パーセントは無意識で操られている


・クライアントとの打ち合わせで何らかの決断するのは顕在意識でも、車が運転できるのは無意識のおかげなのである。


・本書では、脳が知覚したものを認知し、実行する意識のことを「判断脳(executive mind)」、脳が無意識に処理する意識のことを「習慣脳(habitual mind)」と呼ぶことにする。


・「満足」しても、リピーターになる率はたったの八パーセント


・デューク大学の研究では、人間はほかのことを考えていても、一日の四五パーセントは同じ時間に同じ行動をとることがわかっている。


・顧客を維持するために知っておくべきポイントをあげておこう。

①企業は、顧客の言動ではなく行動に注視すること。(中略)言動は一時的なものであり、そこから行動を予測することは難しい。

②習慣脳と判断脳では鍛え方が異なる。(中略)習慣脳は、同じ結果が生じる(または、同じ恩恵にあずかる)行動をくり返すことで育まれる。

③顧客が判断脳で考えていると、他の商品に乗り換えられやすい。また、購入時に判断脳をはたらかせてしまうと、ライバル社の商品を思い浮かべさせる恐れがある。逆に、顧客の習慣脳に入り込むことができれば、意思に関係なく自動的に繰り返し購入してもらえるようになる。

④競合他社から顧客を奪うには、その顧客の習慣を壊さねばならない。既存の習慣が根強いほど、習慣脳から判断脳への移行は困難だが、まず、自社商品のことを判断脳で考えてもらうように仕向ければ突破口が開ける。


・習慣とは何か。単純でも複雑でも、人の行動は繰り返すことで、時間をかけて少しずつ習慣となっていく。そしてひとたび習慣になると、何らかの合図に反応して、意識せずに身体が動くようになる。たとえば、電話が鳴ったら応答する


・「日常生活のなかで何かを決めるとき、消費者はいちいち脳を使おうとしない」とゴードンは主張する。(中略)何を買ったかよりも、買うという行為に至る過程に目を向けるべきだ


・世の中には、正反対のものがあふれている。陰と陽、北と南、男と女、(中略)そして感情と理性。感情は熱く、理性は冷静だ。


・アメリカでは、毎日四五〇〇もの広告が発信されている。一四秒に一本という計算だ。


・人間は、言葉で考えるのではない。まず頭にイメージを思い浮かべ、そのイメージを言語に置き換えるのだ。それは、画家が自分の見た風景を、絵の具と筆を使ってキャンパスに描くのに似ている。


・古典的であるが、何かを覚えてもらうために同じ情報を繰り返し発信するという手は、脳の仕組みから見てもやはり有効だ。(中略)


また、ストーリーや比喩を用いたり、人々の感性に訴えたりすれば、さらに効果は増す。世の広告メッセージには、中身がなく体裁だけ整えたものが多い。(中略)


たとえばタイヤメーカーのミシュランは、赤ん坊がタイヤに乗っている広告で注目を集めたが、そこにはこんなメッセージが添えられていた。「あなたのタイヤには、大切なものがたくさん乗っています」。この一言で、消費者の関心は写真から商品に移る。


・私の担当編集者から聞いた話によると、書店にある本は、三秒以内に読者の関心をひかなかったら、その後もずっと関心を持ってもらえないという。また、大手書店チェーンの仕入れ担当者は、一冊につき二〇秒で仕入れるかどうかを決めるという。「本はカバーじゃない」とはとても言えない。


・習慣は、メリット、デメリットを天秤にかけて生まれるものではない。


・なぜ満足度とリピート率が比例しないかがよくわかる。消費者は、じぶんが使っている商品を「まあまあ」だと思っている。その「まあまあ」という気持ちを点数に表すと、八五点前後になるのだ。


・競合激しい市場で新商品が成功するためには、それを使う習慣を新たなに根づかせるか、すでに身についている習慣に取って代わらねばならない。


・「消費者に何をしてもらうためにその商品を生み出したのか」を、他の部署にお周知徹底させることだ。


・出版社によると、書店に並ぶ一冊の本に消費者が関心を向ける時間は、三~一〇秒だという。棚一段に三〇冊以上、ひとつのコーナーには数百冊、全体では数千冊以上ある書店もざらだ。


・たとえば目は、物体の輪郭をとらえることに集中すると言われている。背景との区別を明確にするためだ。


・消費者は、効率よくいいものを安く買いたい。広告は本来その助けになるものだが、消費者にウソをついたり、彼らの時間を無駄にさせたりすれば、相手にされなくなる。(中略)ウソはすぐにばれる。


・人には、見返りが得られる行為を率先して行なう傾向がある。子を持つ親なら、ぐずったり騒いだりする子どもにお菓子やおもちゃを与えて静かにさせた経験があるだろう。だがこれは、「ぐずればお菓子がもらえる」と教え込んだことになる。しつけ(強化)としては失敗だ。(中略)


与えるばかりが強化ではない。ときには、何かを取り去ることが強化の役割を果たすこともある。たとえば消費者が好ましくないと思うものを、彼らが行動することで取り去ってやれば、その行動をまたとろうと思うようになる。


・航空会社はマイレージプログラムという「クッキー」を顧客に提供しているが、マイレージを貯めるには相当の時間がかかる。それなら「第二のクッキー」を提供してはどうか。たとえば、空港でチェックインするときに、音を鳴らしたり画像を見せたりすれば、その音や画像が、無料航空券や商品券に近付いていると実感する合図になる。


・業種や商品によって異なるが、習慣になるまでに消費者が踏むステップは共通している。発見、購入、そして利用の三つだ。これを一セットとして繰り返すことで、習慣が身についていく。


●書籍『「習慣で買う」のつくり方』より
ニール・マーティン 著
花塚 恵 翻訳
海と月社 (2011年12月初版)
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