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出版業界の豆知識

[ 書店について ]

書店における知名度ランキング  寄稿:冬狐洞隆也氏

全国の読者から大規模書店と思われている書店を紹介したい。
 

順位
書店名
本社所在地
店舗数
売上(百万円)
紀伊國屋書店
東京
64
109,806
ジュンク堂
神戸
50
51,135
TSUTAYA
東京
664
104,700
三省堂書店
東京
35
23,999
ブックファースト
大阪
41
22,671
文教堂書店
川崎
184
35,524
丸善
東京
34
28,117
宮脇書店
高松
276
28,600
有隣堂
横浜
45
50,637
10
くまざわ
八王子
207
36,600
11
未来屋書店
千葉
231
48,014
12
旭屋書店
大阪
16
不明
13
リブロ
東京
88
23,305
14
喜久屋書店
神戸
29
15,525
15
明屋書店
松山
71
16,794
16
大垣書店
京都
26
7,979
17
戸田書店
静岡
37
9,182
18
あおい書店
名古屋
45
13,200
19
フタバ図書
広島
65
37,072
20
コーチャンフォー
釧路
9
12,890
合計
2,217
675,750

※インターネット調査(N1200)

big-name-ranking.jpg


認知度の高い本屋は3つ

インターネット調査での全国的知名度順位であり、売上順位ではないし出版業界の人気順位でもない。全国的に消費者認知度の高いのは紀伊國屋書店・ジュンク堂・TSUTAYA(出版物を販売している店舗)の3店で、後は地域の書店として各々認知されている模様。全国的に店舗展開をしているのか、ある地域に集中的に出店しているかその企業の店舗所在地と店舗数を見ると分かる。順位が低くなるにつれて地域書店であることが見えてくる。


2,217書店で出版業界の売上49.6%のシェアを持つ

日本の書店数は約13,603店・書店ルートの売上は1,358,596百万円。ここに掲載されている僅か2,217書店で売上的には49.6%のシェアを持つことになる。他に地域一番店になりえる地元書店が多数あるのに首都圏に本社のある大手チェーン書店にその顧客を奪われていることは単に有名であることだけではない。


読書時間や購入費用は減っているが、書店を訪れる頻度は高い

読書時間や購入費用は減少傾向にある中、書店への来店頻度は月に5回以上と回答した人が最も多く25.8%であった。次が1回19.2%・2回18.5%となっている(1200人調査)。読書時間や購入費用は減っているが書店を訪れる頻度は高いことが分かる。地元の読者さえも地元書店に行かないということは品揃へと接客サービスに他ならない。


何処の書店に行っても、同じ値段でお金と商品をカウンターに持って行かないと売ってくれない小売りは、「書店」と「スーパー」だけ。自宅・会社に居ながら届けてくれて、しかも送料無料のネット書店と対抗するには、きめ細かな接客が必要となるが、出来ていない書店が多数存在している。


全国でこれだけの書店が認知されているのだから、出版社の営業は効率的に考えなければならない。非効率の営業をして返品の山を作るよりも、自社商品とマッチングする書店を優先するべきであり、個人的な好き嫌いは許されない。書店の悩みや仕事上の解決策を提案するのも出版社営業の仕事。


寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
 

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