岸 英光 氏 書籍『プロコーチのコーチングセンスが身につくスキル』(あさ出版 刊)より
このページは、書籍『プロコーチのコーチングセンスが身につくスキル』(岸 英光 著、あさ出版 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・コーチングは「部下を動かす技術」ではない(中略)コーチングにおけるパートナーの関係には、力関係、上下関係があってはならないのです。(中略)日本人は(中略)パートナーと呼びながらも自分の所有物のように扱う傾向があります。
・上司に本当に求められているのは、「リーダーをつくり出すリーダーシップ」なのです。(中略)管理者に求められているのは、部下をやる人、できる人に変えるエンパワーメントのコミュニケーションなのです。(中略)エンパワーメントというのは、まさに能力を発揮する力を相手に与えることです。
・人が「できるようになる」四つのプロセス(中略)
<第1のプロセス>(中略)
戸惑っているときは、指示や命令でリードされたほうが、人は動けます。ですから、最初は、コーチはプレ-ヤーに指示や命令を出すことになります。
<第2のプロセス>(中略)
実際に取り組んでいるうちに、(中略)見えてくるようになり、自分自身の力で考えることができるようになってきます。(中略)「こうしなさい」と言わず、「どうやったらうまくいくと思う?」などという形で、相手に探らせるのです。(中略)
<第3のプロセス>
だんだん見えてきてその仕事を扱えるようになってきたら、指示や命令をさらに減らしていきます。(中略)コーチは支援するだけ、受け取るだけです。(中略)
<第4のプロセス>
結果が出たら報告を受けます。(中略)
こうして相手が自分一人でできるようになったら、手を離してやります。
・人ができるようになるプロセス
指示や命令でリードする。
↓
相手に下がらせる。扱えるようにしてあげる。
↓
相手に決めさせ、責任をもたせる。コーチは支援し、受け取る。
↓
結果の報告を受ける。手を離してやる。
・コーチングの4つのステップ
第1のステップ 依頼と約束(中略)
第2のステップ ルールとスタイルの決定(中略)
第3のステップ ゴールの明確化(中略)
第4のステップ 日々のコーチング
・ゴールにもコミットメントにも、大きいものと小さいものがあるのです。「会社の売上を2倍にする」とうのが大きなゴールでありコミットメントだとすれば、「(そのために)日々、私は○○をやります」というのは小さなゴールでありコミットメントです。
・「方法の可能」は限りなく生まれてくる
パソコンがほしい・・・。
中古を買う。
「売ります・買います」コーナーに申し込む。
親にねだる。
拾ってくる。
レンタルしてもらう。
パソコンおたくの人をおだててもらってしまう。
モニターに応募する。(中略)
自分でコンピュータ会社を立ち上げる
・・・120通りもの可能性!!(中略)
そこで彼女は五社に対して「自分のようなパソコンの初心者が、御社の商品と他社の商品を比較してどう感じ、どう評価するかをモニターさせてもらえないか」と提案しました。すると彼女のところに、合計で六台のパソコンが届いたのです。
・コーチは、それぞれの選手の特質、状況を見て、本人が自分の最高の状態を得、結果を出すことができる方法を、自分自身で見出していけるようにするわけです。
・子供が家事を手伝ってくれた時、お母さんが「○○ちゃん、お手伝いをしてくれて、いい子ね」とほめてあげた(中略)
この言葉には、「あなたはお手伝いすればよい子、お手伝いしなければ悪い子」という意味が隠れています。「お手伝いする子には価値があるが、お手伝いしない子には価値がない」と言ってよい子か悪い子を評価し、「お手伝いしなければ認めない」と脅迫しているのです。
・「お前はうるさいな。人の迷惑も考えろ。もっとラジオの音を小さくしろ。静かにしろ」などと言うと、これらの言葉は全部、上下関係のYOUメッセージなので、相手には抵抗が生まれ、反発が生まれてしまいます。
それを避けるためには、次のような言い方をします。
「お父さんはこの仕事を、明日までに終わらせなければならないんだ」
→背景・ビジョン・意図・事情
「ただ、ラジオの音が(していて)」
→具体的事実・行動
「それが気になって仕事に集中できないんだ」
→偽らざる気持ち
「それで困っているんだ」
→具体的影響
すべて「私」が主語のIメッセージです。
・すぐれた経営者は、よいコーチを選ぶ目をもっています。自分の言うことをよく聞いてくれるコーチが選ばず。逆に自分の意見に異を唱えたり、反対したり、自分とは違った観点から物事を見てくれるコーチを選んだりするのです。
・「分別」できなければコーチングはできない(中略)
「実際に起きていること」と「評価」を、「事実」と「解釈などの言葉でつくり出していること」を分けていくのです。(中略)
部下の働きが悪くて。
働きが悪いというのはあなたの感想ですか?数字の結果ですか?
実際に生産性が下がっているんです。
では生産性がどれくらいだと、働きがいいといえるんですか?
●書籍『プロコーチのコーチングセンスが身につくスキル』より
岸 英光 著
あさ出版 (2008年7月初版)
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