外山 滋比古 氏 書籍『知的創造のヒント』(講談社 刊)より
このページは、書籍『知的創造のヒント』(外山 滋比古 著、講談社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・読むコツは、谷のところで読みささないで、山のところ、あるいは、山へさしかかるところで休止することである。このさきがおもしろそうだ、もう少し読み続けたいという気持をもったところで、あえて切る。そうすると、あとで本を開くきっかけがつかみやすい。逆に興味索然としたところで切ると、本の引力はすくない。つまりとぎれて、本へ帰ることを忘れてしまう。
・本は気軽に読んだときもっとも創造的でありえる。しかし、すぐれた本は、そういう気ままな読み方を拒む、ぐんぐん引き入れようとする引力をもっている。それに抵抗するにはさきにのべたように途中でやめるしか手がない。
・手帖につけるメモには二種類あるように思われる。ひとつは、備忘録として、事実などをメモしておくもの、記録である。もうひとつは、頭に浮かんだアイディアなどを書き誌しておくもので、これも記録、備忘録だといえばいないことはないけれども、メモすることで、考えを発展させたり、他日の思考の手がかりを残すという意味合いの方が大きい。
●書籍『知的創造のヒント』より
外山 滋比古 著
講談社 (1977年11月初版)
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