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塩田 丸男 氏 書籍『文章毒本』(白水社 刊)より

このページは、書籍『文章毒本』(塩田 丸男 著、白水社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・ひらがなは女文字、これに対してカタカナは男文字。


・カタカナ(中略)使われかた(中略)

カタカナの使用は、ごく大ざっぱにいって、以下のような傾向が指摘できる。

①小説や評論よりもエッセイに多い。
②シリアルなテーマの文章よりもユーモラスな、軽いテーマのものに多い。
③男性の筆者よりも女性の書き手に多い。
④年配者より若年の筆者に多い。
⑤擬声語、擬態語、感嘆詞、問投詞などをカタカナにすることが多い。
⑥字画の多い字や使い慣れない古い言葉を。
⑦特に強調したい言葉、文字を。
⑧以上のほかに、当然のことながら外国語のカタカナ表記があるが、これについては、別に詳述したい。


・西洋語をカタカナで表記し、はっきりと区別するように、意識して文章を書いたのは、日本の「百科全書派」と呼ばれる碩学新井白石だというのが定説。正徳五年に彼が書いた『西洋紀聞』がそれだ。


・オリックスの外野手で本名は鈴木一朗。平成四年にオリックスに入団したが、平成六年に登録名を「イチロー」とし、一軍選手となった。(中略)もちろん一軍選手となった(中略)抜群の働きによるものだが、それに加えて、「イチロー」という日本のプロ野球史はじめての、日本人のカタカナ名前の効果もあったといっていいだろう。


・語彙は言葉の財布である。貧弱な語彙しか持っていなかったらろくな文章が書けないのは当然だ。だから言葉はたくさん知っているほどいい、と言いたいが、必ずしもそうはいかないところが文章のむずかしいところである。


・文章は相手あってのものである。むつかしい言葉を駆使して、どうだ、と威張ってみても相手がそれを理解しなければなんの意味もない。


・いい文章の第一条件は、(こちらの考えや感情や用件を正確に相手に伝える)ことだろう。ということは、相対的なものであって、万人にとっての名文、というものはあり得ない、といってもいい。


・日本語の「縁起」は吉凶いずれにも用いられる言葉だが、ジンクスは悪いときにしか用いない。だから「ジンクス通りにヒットを打って試合に勝った」などとスポーツ紙が書くには、はっきり間違いなのである。


・見本と手本の違いを理解しない


・「情けは人のためにならず」ということわざがある。他人に情けをかけておけば、それはめぐりめぐっていつの日か自分によい報いが来るようになるもので、結局は自分のためになるのだが、これを、「みだりに情けをかけることは、その人の自立心を失わせる結果となって、その人のためにならない」と解釈する人が近ごろは多い。


・メディアのちがいによって表現方法が大きく変る、変わざるを得ないことを、長年の経験から実感している。雑誌には書けることが新聞には書けない。新聞に書けることでも、テレビではしゃべれない。(中略)大ざっぱに言って、対象人口が大きくなるほど表現の制約は強くなる。したがって、表現内容は当たりさわりのない最大公約数的なものなる。


・文章はいうまでもなくコミュニケーションの手段である。コミュニケーションは受け手があってはじめて成立するものだから、受け手のことを考慮に入れないコミュニケーションはありえない。新聞に投稿する人は、不特定多数の読者を想定して書く。自分史を書く人は、ごく身近な友人や家族、縁者を思い浮かべながら筆を進める。


・ホメロスを百回読むよりは、きまり文句を百個覚えたほうが実際に文章を書く上では役に立つ。


・新聞記者の宿命(中略)

できる限り、早く。できる限り、正確に。この二つの矛盾した要求を受けいれなければならないのが新聞記者である。


・『日本語誤用・慣用小辞典』 (国広哲弥著、講談社現代新書)というような本まで出ている。


・日本語誤用(中略)

鳥肌が立つくらいに感動した(中略)

どの国語辞典を見ても、恐怖や極度の不安感が原因で「鳥肌が立つ」のだと書かれており、感動や興奮にともなう生理現象には用いないのが通例だが、現実には、かなり広くこのような言い方が通用している


・「代議士」というのは衆議院議員の俗称であって参議院議員に対しては言わない。


・「傍痛い」と書くのが正しく「片腹痛い」は明らかに誤字である。


・辞書は大切にしなければいけないが、辞書によりかかり過ぎては、生きた文章は書けない。


●書籍『文章毒本』より
塩田 丸男 著
白水社 (1996年7月初版)
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