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出口 汪 氏 書籍『出口 汪の「好かれる! 」敬語術』(ソフトバンククリエイティブ 刊)より

このページは、書籍『出口 汪の「好かれる! 」敬語術』(出口 汪 著、ソフトバンククリエイティブ 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・日本語にしかない、敬語という美して素晴らしい表現方法に、一人でも多くの人が気づいて使いこなせるようになり、人生を豊かにしてもらえたら、そんな気持ちで本書を執筆しました。


・「ご苦労様」「お世話様」は相手を不快にする!?

二つとも「目上の人」が「目下の人間」に使う言葉なんだ。「ご苦労様」ではなく「お疲れ様」を、「お世話様」ではなくて「お世話になっております」と言うべきだね。


・「部長、○○様が見えられました」

一見丁寧だし、どこにも問題がないように感じる。だけど、正しい敬語の使い方かというと、そうじゃないんだ。(中略)

「見えられる」は、(中略)「二重敬語」になってしまっている、耳障りがよくないし、違和感もある。(中略)「部長、出口様がいらっしゃいました」と言えばいい


・「本日、休業させていただきます」(中略)

「いただく」とう言葉は、本来「許可を得てすること」に使う表現なんだ。許可を必要としない場合は「いたす」を使うほうが適切なんだよ。(中略)

「本日、休業いたします」でいい


・敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の三つがある(中略)

「尊敬語」は、動作する人を高める表現(中略)「いらっしゃる」とか「おっしゃる」「なさる」というのが代表的なものだね。(中略)


「謙譲語」は、自分の動作の対象となる人を高める言い方だ。「伺う」や「拝見する」が典型的(中略)


「丁寧語」だけど、これは文字通り、相手に失礼にならないような、丁寧な表現、モノ言いと考えればいい。「ございます」が一番わかりやすい例かな。(中略)「です」「ます」


・「部長、先ほど申された企画についてなんですが……」(中略)

自分の動作に使う「謙譲語」と相手が動作に使う尊敬表現を重ねるというのは矛盾していいるし、文法的におかしい(中略)

「部長、先ほどおっしゃった企画についてなんですが……」


・社外人と接するときは丁寧すぎるくらいがいい(中略)

上司を訪ねてきた人に名前を尋ねる場合、(中略)どう聞く?(中略)

「どちら様ですか?」(中略)

敬語として考えれば、間違ってはいない。でも、不躾(ぶしつけ)な印象を与えてします。だから、「失礼ですが、お名前を頂戴できますか?」と尋ねるほうがいい。


・「~してください」というのは、直接的な表現だから、不躾というか失礼な印象を与えてしまうかもしれない。(中略)「呼びかけの言葉」と「頼むきっかけに使う言葉」を組み合わせて、「締めの言葉」を最後に持ってくる。(中略)

《呼びかけ言葉》

失礼します
すみませんが(中略)


《頼むきっかけに使う言葉》(中略)

お願いしたいことがあるのですが
少々お知恵をお借りしたいのですが(中略)

《締めの言葉》

よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。


・どうしても断らなければいけないときの、上手な断り方(中略)

まず謝罪の言葉を言うんだ。そのあとに理由を述べて、そして、最後に代わりの提案をする。これがそつない、相手の気分を損なわない断り方だ。


角が立たない上手な断り方


《残業を断る場合》

お力になれず、誠に申し訳ありません。入院している母の病院に行くことになっております。明朝、早く出社してやらせていただくのでは間に合いまでせんでしょうか。


《飲み会の誘いを断る場合》

せっかくお誘いいただいたのに申し訳ありません。大学時代の恩師を囲む会があるものですから。次回は必ず参加させていただきますので、またお声をかけてください。


・目上の人間は褒めても絶対評価をするな(中略)

「おみそれしました」という言葉(中略)使っていいんでしょうか?

やめておいたほうがいいな。(中略)目上の人間が目下の使うイメージがある。(中略)

自分の感想を伝えると考えればいい(中略)

①× 「課長、素晴らしいプレゼンでした」
 ○ 「課長、先ほどのプレゼン、感激しました。参考にさせていただきます」

②× 「課長の英語はお見事ですね」
 ○ 「課長の英語のスピーチを伺って、私も英語をもっと勉強しなければと感じました。ありがとうございます」


・丁寧な言葉遣いのほうが苦情の迫力は増す(中略)

仕事でも苦情を言わなければならないことがある。そんなときには、感情的な言葉を発するのではなくて、丁寧な言葉、言い回しをするのがコツなんだ。このほうが相手も自分の非を認めやすいし、不思議なことに苦情の迫力も出る。


・社会人が使ってはいけない4D言葉(中略)

「だって」「でも」「どうせ」「ですが」(中略)

ビジネスではこうした言葉を使って言い訳したり、反論するのはタブーなんだ。


・もてなしの気持ちを来客に伝える言葉の使い方(中略)

《遠方の支社から訪問者があった場合》

「今日は遠いところをご足労いただきまして、ありがとうございます」(中略)


《夏の暑い日(冬の寒い日)の場合》

「お暑い(お寒い)中をお運びいただきまして、ありがとうございます」


・「わかりません」は使ってはいけない!?(中略)

「わかりません」「知りません」は通用しない(中略)この二つは会社やビジネスでは「禁句」なんだよ。(中略)

《取引先で説明を求められたがわからなかった場合》

「誠に申し訳ありません。その点につきましては、調べまして、次回、ご返答いたします」


・雑談に区切りがついたら、「早速ですが」とか「ところで」という言い回しを使って、本題に入る。こういう言い回しが、実はすごく大切なんだよ。相手に「話を変えますよ」「商談をしたいんですが」ということを伝えるための言葉だから、必ず一言挟んだほうがいい。


・すごく横柄に聞こえかねない(中略)

外部の人を相手にしているときは、部下や後輩に頼む場合でも、「~させる」は使わないほうがいいんだ。

「すぐに資料を揃えさせます」
  ↓
「すぐに資料を揃えますので(用意いたしますので)」


・クレームをつけるメールで使える常套句

「ご多忙のためにご失念かと存じますが」
「なんらかの手違いかと存じますが」


・相手のクレームへの対応が不満足な場合の常套句

「遺憾ながら~せざるを得ません」(中略)このままでは決別も辞しませんよ、あるいは、法的手段に訴えますよという一種の最後通牒(つうちょう)だ。


・間違えやすい敬語の使い方(中略)

僭越ですが、一言お祝いを述べさせていただきます(中略)

「僭越ながら」というのが正しい言葉遣いなんだ。


・いざというときに役立つ敬語表現(中略)

「亡くなる」という言葉(中略)この言葉を自分の家族に使う人が増えている。(中略)

取引先に「課長がおっしゃっていました」と言うようなものなんだ。身内に「尊敬語」を使っている(中略)

「父が他界いたしまして」とうのが「謙譲語」としては正しい


・《葬儀、法事で使えるフレーズ》

「誠にご愁傷様です」
「心からお悔やみ申し上げます」
「ご冥福をお祈りいたします」


・《贈り物を渡すときに使えるフレーズ》(中略)

「心ばかりのものですが」
「形ばかりではございますが」


・「どうも」とう言葉は便利だから、つい使ってしまうけれど、改まった場合では使わないほうがいい。「このたびはどうもご愁傷様でした」なんて言いがちだけど、よく考えればおかしな言い方だから、気をつけないと。「どうも」は改まった場合、目上の人に対しては使用禁止というのが原則だ。


●書籍『出口 汪の「好かれる! 」敬語術』より
出口 汪 (でぐち ひろし) 著
ソフトバンククリエイティブ (2013年5月初版)
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