山口 拓朗 氏 書籍『ダメな文章を達人の文章にする31の方法』(バレーフィールド 刊)より
このページは、書籍『ダメな文章を達人の文章にする31の方法』(山口 拓朗 著、バレーフィールド 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・「頭のいい文章」とは、読み手に負担をかけることなく、情報や思いを分かりやすく伝えられている文章、ということになります。
・一文が長くなりがちの方のなかには、留保の「が」を使いすぎているケースがあります。留保の「が」とは、2つの句をつなぐだけの「が」のことです。(中略)ひとつの文中で2回以上使うのは、避けたほうがいいでしょう。
・パソコン上ではなく、印刷された文字で推敲を行うのです。なぜ、印刷するといいのでしょう?それは、第三者視点が生まれるからです。キーボードで打ち込んだ文章を、パソコン上で読む。このときの脳は「書き手」としてのままです。(中略)
印刷した文字であれば、純粋に「読み手」として読むことができます。
・修正した文章を再び印刷するときは、フォント(書体)を変えるのもひとつの手です。ちょっとした変化ですが、新鮮な気持ちで文章と向き合えます。
・万人に書かれた文章は、誰にも読まれない!(中略)
「不特定多数の人間」を想定して書いてしまうと、「特定の誰か」も取りこぼしてしまう可能性が出てきます。だれにも読まれない&興味をもたれない・・・・・・という悲劇が起こりうるのです。
・分かりにくい文章、読みにくい文章、伝わりにくい文章には、「論点」がぼんやりしているものが少なくありません。「論点」というのは、意識の中心、文章の背骨のようなものです。(中略)
環境問題について論じたいのに、つい政治家の悪口を書いていませんか? テレビドラマに感動したことを書こうとしたのに、ついドラマのあらすじを書くことに熱心になっていませんか? 謝罪のメールを書こうと思ったのに、つい言い訳のメールを書いていませんか?
伝えたい「論点(=意識の中心)」が分かりにくければ、結果的に「一番伝えたいことが伝わらない」という哀しい事態を招いてしまいます。
・訴えかける文章の書き方
~具体的な出来事(データ)+主観的事実の黄金コンビ~(中略)
人間はより身近で具体的な出来事(データ)に高い関心を抱く(総論より各論)
・広い視野があれば、説得力は増す!(中略)
「もちろん」や「たしかに」は、自分の主張を快く思わないであろう方への「譲歩」です。(中略)不思議なもので、こうした「譲歩」を挟むことで、書き手の主張が読み手に受け入れやすくなります。なぜなら、「譲歩」の文章は、書き手の視野の広さを感じさせるからです。
・人をクスリと笑わせる文章を書くコツ
~人を笑わせたいときは、自分が笑ってはダメ~(中略)
チャップリンは喜劇役者ですが、チャップリン自身が笑うことはほとんどありません。文章に例えるなら、チャップリン自身が「(笑)」や「\(^o^)/」を使うことはないのです。(中略)
おもしろい文章を書くコツは「ばかばかしいこと」を「大まじめに語る」ことです。
・過去形を乱発する文章は、「朝起きた。ごはんを食べた。おいしかった。学校に行った。友達と遊んだ~」と書く子供の文章に似ています。「どうも幼稚な文章になりがち・・・」という方は、過去形の乱発に気をつけましょう。
・単調さを与える「ダブリ表現」を避けよ!
~言葉を言い換える技術を身につけよう~(中略)
【例文】
高校球児にとって、夏の甲子園に出場することは、大きな栄誉だ。甲子園の舞台に立てるのは、各都道府県を代表するわずか47校。甲子園を目指して、選手たちは、日々、厳しい練習に耐えてきた。
「甲子園」という言葉が3回連続で出てくるため、少しくどく感じます。
【例文の修正】
高校球児にとって、夏の甲子園に出場することは、大きな栄誉だ。夏の舞台に立てるのは、各都道府県を代表するわずか47校。憧れの地を目指して、選手たちは、日々、厳しい練習に耐えてきた。
初めの「甲子園」以外は、「夢の舞台」「憧れの地」に」言い換えました。ほかにも「球児の聖地」「晴れ舞台」「プロ野球への登竜門」「(日本中が注目する)夏の祭典」など、さまざまな言葉が考えられます。
●書籍『ダメな文章を達人の文章にする31の方法~なぜあなたの文章はわかりにくいのか?文章の書き方が分かる本(横組版) [Kindle版]』より
山口 拓朗 著
バレーフィールド (2012年10月初版)
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