藤村 正宏 氏 書籍『安売りするな! 「価値」を売れ!』(実業之日本社 刊)より
このページは、書籍『安売りするな! 「価値」を売れ!』(藤村 正宏 著、実業之日本社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・選んでもらえない、買ってもらえない。その原因の多くは、ちゃんと「価値」を伝えていないということ。人間、知らないものは選ばない。興味も持たない。
・大事なのは「体験を売る」という視点です。たとえば、お菓子をつくっているメーカーは、ケーキやクッキーを売っているのではなく、お誕生日や結婚式などの記念日の価値を高めているのかもしれないし、お菓子を通して笑顔が溢れる社会をつくることに貢献しているのかもしれない。
カメラ専門店は、ただカメラや写真のプリントを売っているのではなく、思い出という宝物を残すためにお手伝いしているのかもしれない。
・お客さまが選ぶ理由をつくってあげることが大事なんです。その際のポイントは、次のようになります。
①ターゲットの絞り込み
②売り込まない
③「好き・楽しい」を発信
④人のストーリーを語る
⑤新たな意味づけをする
・超薄いパソコン「MacBookAir」の発表の際には、スティーブ・ジョブズがA4サイズの封筒をもって現れ、その封筒からパソコンを取り出し、参加者を驚かせました。(中略)ユーザーが体験する視点を大切にした新作発表をして価値を伝えているのです。
・大人気の沖縄土産「紅イモタルト」。(中略)開発物語。沖縄や読谷村に対する社長の熱い思い。会社のお菓子に対する哲学。
商品や味は真似できますが、これは真似できません。それを機会あるごとに発信していったのです。
・◎ビシソワーズ
昔、NY在住のフレンチシェフが自分の恋人のために考案しました。冷たいジャガイモのスープです。少し胃もたれしている朝には最適。熱々のトーストとバターには相性ばっちり!
・人間は価値を知らないものは選ばない。興味ももたない。だから、これはこういうものですよ、と伝えたわけです。
・選んでもらえない、買ってもらえない。その原因の多くは、ちゃんと価値を伝えていないということ。
・大ヒット空弁はある女性のためにつくられた
「元祖羽田空港ひとくちおこわ」(中略)
年間50万個以上も売れています。(中略)
40歳女性管理職。出張が多く、よく一人で羽田空港を利用する。空港でお弁当を食べるのは、恥ずかしい気がしてちょっとイヤ。飛行機に搭乗する前に、美味しいものをさっと食べたい。(中略)
POPにしようということで、箱の横に「飛行機に乗る前に搭乗ゲート近くのベンチでカンタンに食べられるおこわです」と書くようにしました。
商品性格をしっかりわかりやすく説明しました。ターゲットは単身で出張している女性で、飛行機に乗る前に搭乗ゲート近くのベンチでさっと食事をとりたいと思っている、そういうビジネスウーマン。
・ほとんどのスクールは、「夏休みにうちのスクールに来ると、水泳がうまくなりますよ」ということを発信します。(中略)水泳がうまくなることによって、どういううれしいこと、いいことがあるのか?(中略)
水泳がうまくなったら、子供に自信がついて、友達も多くなる。(中略)
「やったぁ~!!ボクらは自信マンマン組だ!!」
学校の水泳授業が楽しくなる!!
・普段はまったく連絡がないのに、チケットを買ってもらいたいときだけ、「買って」って電話する。そりゃ売れません。(中略)人は同じものを買うのなら、関係性の深いほうで買います。より関係性が深い人から買うのです。
・繁盛する店、会社になるためには、いきなり買ってもらおうとするのではなく、お客さまと関係性をつくるという意図をもつことが大事になってくる
・「どうしてまたうちを利用してくれたのですか?」
するとお客さまの答えが次の5つに分かれました。
①以前に利用したとき、よかったから
②自分の気に入ったところに家族や知人を連れていきたいから
③知っている宿なら安心できるから
④自分のことを覚えていてくれるから
⑤いつも連絡(手紙、メール)が来るから
この中で、ほかの4つの回答をダントツに引き離して、一番多かった答えは何番だと思いますか?
5番だった。
連絡が来るから、ということだったんです。(中略)忘れられないことが大事
・すごく不思議なんですが、住所と名前を書いたにも関わらず、3分の1ぐらいの店は何も送ってきません。(中略)送ってきたとしても、たいていはハガキ1枚。それも、「SALE!」って書いてあるだけのもの。あるいは、挨拶文などのパンフレットやカタログ。
・いかにもDMらしいDMは、読まずに捨てられます。(中略)うちの商品はこんなにいい商品だよ。金額は○○円だよ。買えよ~、といっているDM。
そういうDMを出すくらいなら、ハガキを使ってお手紙を書いたほうが断然いいのです。
・広告の出口とは何かというと、お客さまにどういう行動をとってもらいたいか、ということ。(中略)キャッチコピーと商品名が書いてあるだけ。それで、どうしてほしいの?ということがわからない、ただ言いっぱなしの広告です。
・大阪でクリーニング屋さんを経営する若き社長・壁下陽一さん(中略)
あるときのニューズレターに、壁下さんはこれ以上個人を出しているものはないいうくらい「個」を出した販促物を同封しました。なんと、履歴書用紙に自分の履歴を書き込んで、既存顧客に送ったのです。(中略)写真を貼って、学齢・職歴などを記入。「特技」の欄には、「クリーニングのシミ抜き」と書きました。(中略)
学歴を書く欄に小学校・中学校・高校・大学はもちろんですが、幼稚園まで書いておいたところ、自分の出身幼稚園から、お遊戯会の衣裳を1300点出してもらったそうです。それだけで40万円近い仕事になった。
・「店に取り置きできてようなクーポン」があればいいと考えた。(中略)「すごろく」に至ったわけです。
・売れる商品はない。「売れる売り方」があるだけ(中略)あったとしても、そんな商品はみんが後追いしてきます。あっという間に個性がなくなり、すぐに売れなくなってしまいます。だから、売れる商品を期待しているより、今あなたが扱っている商品を、売れる売り方で、売るほうがカンタンなのです。
●書籍『安売りするな! 「価値」を売れ!』より
藤村 正宏 著
実業之日本社 (2011年12月初版)
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