中野 三敏 氏 書籍『和本のすすめ~江戸を読み解くために』(岩波書店 刊)より
このページは、書籍『和本のすすめ~江戸を読み解くために』(中野 三敏 著、岩波書店 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・出版条例の始まり
営業としての出版が軌道に乗り始めると、内容上や商売上の問題が生じて、為政者は何がしかの法令による対応を迫られる。これまで確かめられた限りにおいては、京都所司代による明暦三年(一六五七)二月に町触れとして出された次の一条がその最初のものであった。
・実用書以外の大方は自費出版というのが常識であったように思う。
・拓版は、実は刷るのではなく、紙をかぶせた上から叩いて文字を写しとる技法を言う。(中略)石碑や墓碑に彫りつけられた文字や絵を写しとる技法で、それを木版に応用したのが正面版、即ち「拓版」である。
・板版の印刷には、整版・活字版・拓版の三種がある
・「板版」の最大の特徴は、すべて手造りというところにある。手工業時代の産物
・木版印刷の書物は、現代活版印刷の両面刷りとは違って、一枚の紙の片面しか印刷できるという性質をもつので、その一枚の紙を外表に二つ折りしたものを基本単位とするという特徴がある。(中略)その一枚を一丁という
・江戸の文化を「雅」と「俗」の二大範疇にわけて考えることは、少なくとも研究者レベルではほとんど常識といえよう。「雅」の文化とは江戸以前からの「伝統文化」をいい、「俗」の文化とは江戸に入って始まった「新興文化」をいう
●書籍『和本のすすめ~江戸を読み解くために』より
中野 三敏 著
岩波書店 (2011年10月初版)
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