藤崎 雄三 氏 書籍『絶妙な「叱り方」の技術』(明日香出版社 刊)より
このページは、書籍『絶妙な「叱り方」の技術』(藤崎 雄三 著、明日香出版社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・「叱る」ことは、叱られた相手が正しい方向へ導くための「手段」であり、その根底には相手に何かを伝えたいという意思があるということです。そして、そこには教育的な側面があるとも言えそうです。
・「叱る」と「怒る」の違い(中略)
相手を諭して正しい方向へ導くための手段である前者に対し、後者は、相手(人ではない場合もあります)に対して、自分の感情をぶちまけるというものではないでしょうか。
・「叱る」という行為は、短期的に効果を求めるときに特に有効だといえます。
・「叱る」原因(中略)
そもそも「叱る」のは、叱る側が相手に何かを期待していて、結果がその期待を下回ったときに起きるものですよね。言ってみれば、期待値と結果のギャップが生み出すもの。
つまり、この「期待値ギャップ」がなくなれば、叱る必要などないわけです。そう考えると、叱る機会を縮減するためには、日常的に期待値を確認し、部下に伝えることが大事です。
・叱ることは1つに絞った方が得策です。複数言わなければならないなら、優先順位をつけて、順序立てて伝えましょう。「全部大事」というのは禁句です。(中略)「あれも、これも」というのは、まず無理な話。
・「お前のココがダメ」と言われるのと「お前はダメだ」と言われるのでは、その意味合いも受けるダメージも全く違いますよね。なぜなら、前者が相手の一部分の改善を求めているのに対し、後者は相手の全人格を否定しているからです。
ならば、あなたが叱るときは、全体よりも部分、変えにくい部分よりも変えやすい部分を指摘してあげてください。
・まず自分が怒っているということを口に出してみる。言葉に感情を込めるのではなく、感情を言葉にすると、どんなに腹が立っていてもしゃべっているうちに次第に落ち着いてきます。
(中略)
パパ、今怒っているからね(中略)
私は今、泣きたい気分です
・人を叱るときには、使うべきではないNGワードがあります。(中略)
まず1つ目は、個別の事象ではなく、相手全体を非難する言葉。
2つ目は、過去のことまで遡って非難する言葉です。
加えて3つ目として「またやったのか」などという決めつけも、反感を買う原因です。
・避けたいNGワード
①個別の事象ではなく、相手全体を非難する言葉
「そもそもお前は~~」
「お前本当にツカえないよな」
「だからお前は~~」
②過去のことまで遡って非難する言葉
「お前は一事が万事~~」
「お前、社会人何年やってんだ!?」
「確か、あのときも~~だったよな」
③実際には起きていないかもしれないのに思い込みで投げたしまっている言葉
「だから言ったじゃん」 (←言ってない!)
「~なくせに、こんなこともできないのか」 (←決めつけ)
「またやったのか。いつもお前は~~」 (←いつもじゃない!)
・叱った後の絶妙フォロー
改善点を承認する(中略)
しっかりモニタリングすることです。そして、部下が問題点を改善したら、きちんと認めてあげること。「ここまで改善したね」とか「8割が終わったね」とか、事実の承認で十分。過剰なほめ言葉は不要です。
・欧米では人間はミスするし、規則を破ることもあるという前提でルールがつくられています。これに対して、日本ではミスは絶対にしないし規則は守る、という前提です。その意味では、前者が「性悪説」に基づいているのに対し、後者は「性善説」に基づいていると言うこともできるでしょう。
・叱るとは、上司や先輩として相手に期待し、善意の気持ちを持って相手と対峙するということなのです。
●書籍『絶妙な「叱り方」の技術~あなたに叱られて、モチベーションが上がる「超・上司力」』より
藤崎 雄三 著
明日香出版社 (2007年4月初版)
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