鶴野 充茂 氏 書籍『はずむ会話の7秒ルール』(アスキー・メディアワークス 刊)より
このページは、書籍『はずむ会話の7秒ルール』(鶴野 充茂 著、アスキー・メディアワークス 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・シンプルトークは、文字通りシンプルな3つの原則でやり取りする、効果・効率に優れたコミュニケーション手法です。その3つの原則とは・・・・・・、
原則1 短くミニマムに話して(自分→相手)、ミニマムに聞く(相手→自分)
原則2 やり取りによって、仕事の次のステップに進める
原則3 頻繁に、短くやり取りする
※補足:ミニマムとは、kotobankによると、最小限、最小、最低限度
・「理解」より「必要不可欠な情報のやり取り」------前に進む会話の目的(中略)
説明はこれで良かったと言えるでしょうか?
仮に理解が得られても、予算がもらえるかどうかは別問題です。
仮に理解が得られても、買ってもらえるかどうかは別問題です。(中略)
そして逆に、仮に理解を得られなくても、仕事が進むにはどんな情報が必要かを考える。これがシンプルトークのスタートです。
説明の目的を「理解してもらうこと」ではなく、「仕事を進めること」「成果を挙げること」と定義します。そして、やり取りの中でなにが必要不可欠(Essential)な情報かを考えていきます。
・「相手へのお願いはなにか?」を話す前に決めておく(中略)
「お願い」のはっきりしない説明は、聞き手にとってストレスです。(中略)
それは、「で、私はどうしたらいいの?」という疑問です。
・無意識に、自分の価値観やルールを他人に押しつける。(中略)こうした無意識の押しつけが「誤解」や「すれ違い」を生む大きな原因になります。(中略)自分の「当たり前」をあらかじめ言語化すればいいだけです。(中略)「ジョハリの窓」
・「自分の」ではなく「相手にとっての」結論から話す
話の順番を考えるうえで、これまで私たちはよく「結論から話すように」と言われてきました。確かにこれは論理的に話すための要点の1つですが、勘違いしている人が以外と多いので注意が必要です。
このときの「結論」は、「自分の言いたいこと」ではなく、「相手の聞きたいこと」です。つまり、相手の結論から話しはじめる、ということ。(中略)
具体的な例(中略)
A 【自分の結論を先に説明する例】
「今日ご紹介するのは、御社にぜひ採用いただきたい最新の人事管理ステムです」
B 【相手に結論を先に説明する例】
「先日のお話では、支店間のやり取りや操作性でお困りということにでしたので、その解決策となる提案をお持ちしました」
成績の良い営業マンの多くはBのように話しはじめます。
・質問に答えるときも「相手にとっての」結論から(中略)
【例】
◎質問
「昨日お願いした仕事、終わった?」
◎答え
「すいません。もう少々お待ち下さい」
よくあるやり取りですが、これを、
◎質問
「昨日お願いした仕事、終わった?」
◎答え
「まだです。あと2時間お待ちください」
とするだけで相手にははるかに受け止めやすくなります。
・「出来事」と「解釈(意味・判断)」はセットにする(中略)
◎(出来事) 火事です。
(解釈) 早く逃げた方がいいです。
◎(出来事) 人間ドックでひっかかりました。
(解釈) しばらく酒を控えることにします。
・話し出しは「この話のポイントは3つあります」で切り出す(中略)
これで相手は、3つのポイントが出てくることを意識して待ちます。
次に、「1つめのポイントは」「2つめのポイントは」「3つめのポイントは」と言うときに、指を折って相手に見せながら話してください。
・補足や接続詞を多用していると、必要不可欠な情報がぼやけてしまいます。そこでシンプルトークでは、「補足すると」「ちなみに」「それと」「あと」といった追加言葉を使用禁止にしています。
・質問には、1、共有・確認のための質問、2、具体化・情報収集のための質問、3、提案・次のステップのための質問があります。
・話を進めるためのメモを取る
話ベタの人でも無理なく合意を得て、話を進めるための工夫として、ぜひおすすめしたいことがあります。それはメモを取ることです。この時、ちょっとしたコツがあります。(中略)
メモを取るのは自分の記録ではなく、あくまで話を進めるためです。そして、自分のノートにメモをしながら、同じテーブルで座っている人たちに、そのノートに書かれているメモを見てもらうことが目的です。
・具体的な答えを導き出すための2つのシンプルな質問法(中略)
【例】
「新人の鈴木くんが困っているみたいだから、見てあげてくれる?」
× 「分かりました」
○ 「問題を分析して、やって見せて、手順を教えるのでいいですよね?」
「データの入力、急ぎでお願い」
× 「分かりました」
○ 「どれくらい急ぎますか? 明日中くらいでも大丈夫ですか?」(中略)
理想的にYesかNoで答えられるクローズド・クエスチョン、あるいはいくつかの選択肢を示してその中から選んでもらえるような質問にします。
・会話の内容が複雑になり、なにを説明し、どう質問すれば話が進展するかが分からなくなったら、ぜひ相手に聞いてみてほしいことがあります。それは、「どうしたいか」と「それはなぜか」です。(中略)人が動くためには理由が必要です。(中略)
もっとほかにやりたい仕事がある気がすると悩んでいる後輩と相談に乗っている先輩の会話です。
先輩 「で、どうしたいの?」
後輩 「なにか社会に貢献したいんです」
先輩 「それは、どうして?」
後輩 「世界中に困っている人がいるのに、自分はなにもしてない感覚が強いからです」
・話をまとめるために(中略)
具体的には、次の3点を打ち合わせの冒頭で、しっかりと確認します。
◎議題・・・・・・「今日はなにについて話し合うのか」
◎範囲・・・・・・「今日はどの範囲まで話し合うのか」
◎時間・・・・・・「今日は何時まで話し合うのか」
・相手の言葉を使って次の提案をすれば共感を得られる(中略)
「次の提案」は、一言で言えば「解決先」のことです。(中略)人は自分の言葉でしか納得しません。自分自身で結論を出してきた経営者やベテランのマネージャーにおいては、とくにその傾向が強いです。(中略)
相手の会話に度々出てくる言葉を聞き取る
相手 ・・・・・・付加価値・・・・・・
自分 付加価値(キーワード)という言葉が度々出てくるな!(中略)
相手のキーワードを意識して会話に盛り込む
・話ベタでも信頼を得られる3つの方法(中略)
一つめは、「まず相手の話を聞いて、深く理解するために質問を繰り返す」ことです。(中略)質問を繰り返すことによって自分が相手(の仕事)に本気で興味があることを伝え(中略)
二つめは、「自分の進捗をアップデートする」ことです。(中略)
三つめは、「小さな約束を守ることを繰り返す」ことです。(中略)“小さな約束”を依頼されたら、こんな一言を付け加えます。
「いつまでに必要ですか?」(中略)
あえて相手の希望を口にさせ、その期限はしっかり守る。
・実行不可能な「正論」よりも、少しでも改善するための「解決策」
【例1】
部下 「企画をまとめましたので見てください」
上司 「これじゃダメ。お金のにおいがまったくしない」(中略)
【例2】
部下 「企画をまとめましたので見てください」
上司 「これにお金の流れを図解にしたページを1枚入れてみてよ」(中略)
「これではいけない」より、「こうやったらうまくいく」というのを部下は待っています。多くの場合、問題はみんな分かっています。そうをどうやって解決するかを知りたいのです。
・送信メールの件名に【要返信】などと付すのは、なるべく早い返信を相手に促す小技の1つです。(中略)懸案事項に対する相手の見解を求めるときに有効です。
●書籍『はずむ会話の7秒ルール』より
鶴野 充茂 著
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