岸 博幸 氏 書籍『ネット帝国主義と日本の敗北~搾取されるカネと文化』(幻冬舎 刊)より
このページは、書籍『ネット帝国主義と日本の敗北~搾取されるカネと文化』(岸 博幸 著、幻冬舎 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・ネットのレイヤー構造
ネット上のサービス
●コンテンツ/アプリケーション
テレビ局、新聞社、出版社、レコード会社、映画会社・・・etc
●プラットフォーム
グーグル、ヤフー、ツイッター、アマゾン・・・etc
●インフラ
※ここまでがネット上のサービス
●端末
※P・42図解参照
・インフラ・レイヤーはあまりもうからないのに対して、プラットフォーム・レイヤーのサービスを提供するネット企業は大きな収益をあげています。
・インフラ・レイヤーの企業と同様にコンテンツ・レイヤーの企業もネットではあまり儲からないのが実情です。(中略)なぜそうなってしまったのでしょうか。
その理由は、第一に、プラットフォーム・レイヤーのネット企業に情報/コンテンツの流通を独占されてしまったからです。
・米国の新聞の発行部数(日曜版)
(出典:Newspaper Association of America)
1993年 62,566,000
・
・
・
1998年 60,066,000
・
・
・
2003年 58,495,000
2004年 57,754,000
2005年 55,270,000
2006年 53,179,000
2007年 51,246,000
2008年 49,115,000
・米国と日本では新聞の収益構造が大きく異なっていることに注意してください。ざっくり言うと、米国では広告収入と購読収入の割合が3対1と広告収入の方が圧倒的に多いのに対して、日本ではその割合が1対2と逆転し、広告収入よりも購読収入への依存度が高くなっています。つまり、米国の新聞社の方が広告費のネットへのシフトの影響をより深刻に受ける構造になっています。
・ネットは儲からない(中略)
過去数年にわたる米国の新聞社のネット展開から得られた教訓は、「無料モデルでは、マスメディアやコンテンツ企業はネット上ではなかなか儲からない」の一言に尽きるのです。(中略)
具体例を上げましょう。例えば米国を代表する新聞であるニューヨーク・タイムズは、(中略)読者数はネットの方が50倍もいるのに、ネットからの広告収入は紙の10分の1程度なのです。
・検索サービス市場での米国ネット企業のシェア
(出典:コムスコア)
日本 93.0% (09年1月)
●ヤフー 51.3%
●グーグル 38.2%
●マイクロソフト 1.7%
●アマゾン 1.0%
●エキサイト 0.8%
英国 93.7% (08年6月)
●グーグル 75.3%
●eBay 5.5%
●ヤフー 4.3%
●マイクロソフト 3.4%
●AOL 2.3%
●フェイスブック 2.2%
●アマゾン 0.7%
ドイツ 90.4% (08年7月)
●グーグル 79.8%
●eBay 6.1%
●AOL 1.7%
●マイクロソフト 1.0%
●アマゾン 0.9%
●ヤフー 0.9%
フランス 90.5% (08年8月)
●グーグル 82.0%
●マイクロソフト 2.7%
●ヤフー 2.3%
●eBay 1.4%
●フェイスブック 1.1%
●AOL 1.0%
●書籍『ネット帝国主義と日本の敗北~搾取されるカネと文化』より
岸 博幸 著
幻冬舎 (2010年1月初版)
※amazonで詳細を見る