三枝 匡 氏 書籍『V字回復の経営~2年で会社を変えられますか』(日本経済新聞出版社 刊)より
このページは、書籍『V字回復の経営~2年で会社を変えられますか』(三枝 匡 著、日本経済新聞出版社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・一般に企業の業績悪化と社内の危機感は相関しない。むしろ逆相関の関係だと言ったほうがいい。つまり、業績の悪い会社ほどたるんだ雰囲気であることが多く、業績のよい成長企業のほうがピリピリしている。
・同じ人々が、同じ会社で、同じような行動パターンを続けていて、果たして会社を変えることが可能なのか(中略)この答えは「ノー(無理)」である。
・やたらと出席者の多い大会議。ダメ会社症候群の典型。出席者を減らすと「自分は聞いていない」「関係ない」と拗(※す)ねる者が出てくる。リーダーシップの弱い組織の特徴だ。
・「今、開発中の新商品の顧客のメリットを説明してくれるかい」(中略)
「私が聞いているのは、性能じゃない。お客様がどのようなメリットを得るかのだよ。たとえば顧客の経済的利益はどれくれい? どれだけ利益が増えるの?」
・社員が外部に会社の不満を垂れ流している。会社の看板を背負うことを投げ出している。
・今や日本人だけが勤勉だというのはウソである。働き者の米国人はたくさんいる。とりわけ役員やエリート層は日本人のほうが働かない。
・改革チームの人選は改革の成功失敗に重大な影響を及ぼす。特に「社内政治」を改革チームに持ち込みたがる者を選んでいはいけない。
・他の人が書いたカードの内容について、質問は自由だが批判をしないことが今日の約束になっていた。異質な意見を奨励するためであった。それが改革には不可欠の要素だった。
・一、二年で変わることのできない組織は、五年たっても、一〇年たっても変わりっこないんです。組織のカルチャーを変えるには、ダラダラやってもダメなんです・・・・・・一気呵成のエネルギーを投入しなければだめなんです
・強烈な反省論とは、過去の呪縛との訣別である。その訣別が鮮明に行われれば行われるほど。組織という生き物は新しい時代を切り開くエネルギーを生み出すのである。
・筆者の体験では、戦略の内容の良し悪しよりも、トップが組織末端での実行をしつこくフォローするかどうかのほうが結果に大きな影響がある。戦略を決定したらそれで自分の役割が済んだつもりのトップは多い。
・改革シナリオはプレゼンテーションは、一度に多人数を集めて機械的に行うのではなく、なるべく聞き手の表情がわかる人数を相手に、一人ひとりの目を見ながら話しかける。
・改革 8つのステップ
①成り行きのシナリオを描く
②切迫感を抱く
③原因を分析する
④改革のシナリオを作る
⑤戦略の意思決定をする(※補足:4と5を繰り返す)
⑥現場へ落とし込む
⑦改革を実行する
⑧成果を認知する
・成功の要因とステップ(中略)
1 改革コンセプトへのこだわり (中略)
2 存在価値のない事業を捨てる覚悟 (中略)
3 戦略的思考と経営手法の創意工夫 (中略)
4 実行者による計画作り (中略)
5 実行フォローへの緻密な落とし込み (中略)
6 経営トップの後押し (中略)
7 時間軸の明示 (中略)
8 オープンで分かりやすい説明 (中略)
9 気骨の人事 (中略)
10 しっかり叱る (中略)
11 ハンズオンによる実行 (中略) 積み木を途中で崩しかねない要素を早め早めに排除
・改革を成功へ導くための要諦50
●書籍『V字回復の経営~2年で会社を変えられますか』より
三枝 匡 (さえぐさ ただし) 著
日本経済新聞出版社 (2001年9月初版)
※amazonで詳細を見る